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パチンコ店「ドル箱タワー崩壊」で4万発の出玉が散乱… 思い出したくない店員時代の“大惨事”を振り返り

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「私、失敗しないので」どこかで聞いたことがあるセリフだが、私の人生は失敗ばかりだ。ホール役職者時代もそうだったが、今回のエピソードは遥か昔、学生時代に初めてアルバイトとして働いたパチンコ店での出来事である。

 当時のパチンコ店はどこも活気があった時代で、その日も客入りは上々で大変賑わっていたと記憶している。 現在のような各台計数機もまだ登場しておらず、客が出した出玉は座席の背面や左側にドンドン積み上げられていく、どこにでもあるお店だった。

 客から出玉の交換依頼があった際は、2・3箱くらいであればサッと持ち上げて計数機まで運び、それ以上になると台車に載せて運ぶのが通常のスタイル。

 意外と知られていないのかもしれないが、パチンコの遊技球は直系約11mm、重さは約5g。現在のドル箱に比べて、当時は1箱で2000個前後のタイプが主流だったため、1箱で約11kgにもなるのだ。

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 それを3箱重ねると約33kgの重さにもなるのだから、男性でも決して軽くはない。なかには、5・6箱持ち上げて運ぶ強者もいたが、そういった人たちは後々腰を痛めたりしている可能性が高いのではないだろうか。

 さて、本題はここからだ。パチスロのドル箱にメダルをガチガチに詰める客をよく見かけるが、パチンコにもそういった客がわずかに存在する。パチンコ玉をこんもりと盛っていくのだ。

 しかもこれがよろしくないことに、ドル箱を積み上げた際に必ずといっていいほど零れてしまうのだが、箱を重ねていくごとに少しずつ微妙な傾きができたりして、運ぶ際に影響を及ぼすこともあるのだ。 

 そして、稼働も絶好調で夕方のちょっとした交換ラッシュの時間帯に事件は起こってしまう。適当に積み上げて急いで運んだのもあるだろうが、本当に最悪の出来事だった。

「ガッシャーン!」「ジャラジャラジャラジャラ~!」 

 台車に2列10段に載せられたドル箱タワーは見事に崩れ落ち、約4万発の出玉は無情にも全て散乱してしまったのである。

 まさに顔面蒼白……その4万発の出玉を全て拾い上げるのにどれくらいの時間を要したかも覚えていないが、本当に逃げ出したいくらいの大惨事だった。

 結局、その後の処理についてはよく覚えていないのだが、社員いわく「出玉4万発+αで交換した」とのこと。このプラスα分は「大変申し訳ございません!」というお詫びの気持ちなのだろう。

 もちろん、その日の終礼ではこっぴどく怒られたし、それ以降は台車に載せるドル箱の数を「10箱まで」というルールが新たなに加わった。

 そしてこの事件以降、台車でドル箱を交換する際は、多少時間がかかっても慎重に丁寧に積み上げるのを心掛けたのはいうまでもない。

(文=オーハナB)
<著者プロフィール>
元ホール店員、店長経験者。パチンコ店の裏側で起きた出来事や、人間関係を題材にしたコラムを担当している。過去に話題になった業界ネタなど、時代背景を感じる記事も作成中。自身の思い入れのあるシリーズの動向にも熱い視線を注ぐ。

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