「ハンマー男」級の恐怖がパチンコ店を直撃!? 迷惑すぎる極悪行為の数々!!

　先日、自動ドアのガラス部分を破損されてしまう被害に遭ったパチンコ店が、SNSを通じて犯人に対する情報協力を発信しておりました。

　犯行現場の写真も掲載しており、ポッカリと穴の開いたヒビだらけの自動ドアが確認できます。凄まじい勢いで蹴りを入れたのが容易に想像できる惨状でした。

　ホール関係者の方によると、犯人は酒と思わしき缶を持っていたとのこと。酔った勢いでやった可能性もありますが、よほどの怒りや憎しみがなければこのような行為には及ばないでしょう。

　この犯人の精神状態に何があったかは分かりませんが…ホールではイライラした人間によって、このような極悪行為が発生するケースは大なり小なり起こり得ること。実際、私もホール店員時代には数多くの嫌がらせや破壊行為に遭遇しました。

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　今回は私が実際に遭遇した極悪行為の中から、特に印象に残っているエピソードをご紹介させていただきます。

【遊技台に正拳突き炸裂?】

　店に対して負けた腹いせに嫌がらせをする。これは残念ながらよくある話ですが、気づかれないようにコッソリと犯行に及ぶパターンが多かった印象です。

　パチンコ台の上皿にガムを詰めて遊技不可能にする。個室トイレの便器内にペーパーを丸ごと捨てる。椅子まわりの床にゴミを散乱させるなど、陰湿なものばかりでした。

　そういった中で、周りの目も気にせず堂々とホールに対して嫌がらせを行うケースも少なからず存在。過去には思いっきりパチンコ台のガラスに正拳突きをかまし、ホール中に打撃音を鳴り響かせた強者が現れたことがございます。

「ドーーン!!!」という凄まじい音が鳴ったので急いで現場に向かってみると、そこには鋭い眼光で私を睨みつける一人の男性がおりました。振動検知エラーが作動して警告音が鳴り続ける遊技台。「ガラスが割れているんじゃ…」と恐る恐る確認してみると、なんと奇跡的に無傷な状態でした。

　安心したのも束の間、この男性から「早くエラー直せや！いくら負けてると思ってるんだ！」と荒々しい口調で言われたのです。恐怖を感じ、すぐさまエラーを解除したのですが…台をパンチした方に注意せずに立ち去るわけにもいきません。

　私は意を決して「台が壊れてしまいますので、もっとソフトに扱っていただけませんでしょうか」とできるかぎり角が立たないような言い回しでお願いしたのです。

　しかし、その方は私の発言を完全に無視。コチラを見ようともせずに、黙々と遊技を続行し始めたのでした。

「次やったら台が壊れるんじゃないか」とヒヤヒヤして遠目からチェックしていましたが、その後は攻撃的な態度を見せずに遊技を終了。何事もなかったかのように退店していきました。

　一発目の正拳突きで「これ以上はヤバイ」と自制心が働いたのでしょうか。真相は分かりませんが、何事もなく終わったので安堵したエピソードでした。

【ハンマー男級の恐怖がホールを直撃!?】

　あれは数年前のお話。いつものように開店時間を迎え並んでいたお客様を店内へご案内していると、ホール中に「ガッシャーン！！」という爆音が響き渡りました。

　お客様が遊技する前の静かな状況だったので、その衝撃音が余計に際立って聞こえたのです。とにかく尋常じゃない大きさだったので、「どこかで大きなガラスが割れた」ということは理解できたのでした。

「一体何が起きたのか…」私は原因を確認しに向かったのですが、そこには驚くべき光景が広がっていたのです。

　ガラス張りだったホールの壁面が粉々に破壊され、人が簡単に入れてしまうほどの大穴が開いているではありませんか！

「まさか負けた腹いせのテロ行為か!?」など、当然ながら最悪の事態が頭をよぎりました。「ハンマー事件」のような前例もあったので、余計に恐怖心が芽生えてきたのです。

　どうしていいか分からずあたふたしていると、穴の開いた部分から一人の男性が店内へ侵入。そんな登場の仕方をするのは犯人しか考えられず「凶器を持っていたらどうしよう」と思わず後ずさりしてしまいました。

　その男性は手ぶらでしたが、半袖のアロハシャツにサングラスの姿で平然とその場にたたずんでいたのです。何ともいえない不気味なオーラを放っていました。

「警察に連絡しなくては」と、その場を離れようとしたその刹那…あろうことか男性は「すみません、やっちゃいました」と、深々と頭を下げながら謝罪してきたのです。

　張り詰めた空気の中で緊張の糸が切れたので、私はまともに返事すらできていなかったと思います。散乱したガラスの後処理をスタッフに任せ、私はこの男性を店長のもとへ連れて行きました。

　話によると前日から徹夜で麻雀を行って、そのまま寝ずに当ホールに遊びにきたとのこと。バイクを駐輪する際に段差を乗り上げようとアクセル全開にしてしまい、車体がウィリーして壁面を直撃したそうです。

　幸い、この方はバイクの保険に加入されていたので、相当な額の修復費用を自己負担せずに済む事となりました。悪意のある行為とは違いますが、他のトラブルとは桁違いのスケールの大きさだったので印象に残っているエピソードです。

（文=ミリオン銀次）

<著者プロフィール>
　ホール店員・雀荘店員といった職種を経験。それらを活かし、ライターとして活動中。特に力を入れているのはパチンコ・パチスロ分野で、自身の遊技体験やホール店員時代のエピソードを中心にしたコラムを執筆している。パチンコ・パチスロ歴は10年以上で「打ちたい台をトコトン打つ」がモットー。結果として、目も当てられない大敗を多く経験。「悲惨なエピソードも明るく紹介したい」といった拘りを持つ。