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ルール違反で「店員さんに連行」された男…優しく諭されていたら良いなぁ…と【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第27話:ピンボール】

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ルール違反で「店員さんに連行」された男…優しく諭されていたら良いなぁ…と【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第27話:ピンボール】の画像1

第27話 ピンボール

 平成初期(1990年代初頭)のパチンコ業界では、いわゆる連チャンタイプの権利物が大ヒットしていました。ダイナマイト(大一)、ラッキーボーイ(大一)、ダブルゲーム(マルホン)、びっくりマン(マルホン)、ソルジャー(マルホン)…等々。

 1回ごとの大当りの権利が連チャンすると言う意味においては、アレジン(藤商事)、エキサイト(藤商事)、スーパーアレパチ(太陽電子)などの各種アレパチも同カテゴリーに含めて問題ないと思いますが、それらに関してはまたの機会に。今回は純粋な「1回権利物」についての思い出話を語りましょう。

 この当時、私が大好きで打ち込んでいたのが『ピンボール』という1回権利物でした。

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京楽の大ヒット機種『ピンボール』。スルーチャッカーを通過すると3桁デジタルが回転し(デジタルの停止順は左→右→中)、ゾロ目が停止すれば大当りとなって(3&7図柄のみ前後賞あり)天下の電チューが5.6秒or5カウントまで開放する。しかる後に役物内部でフリッパーアクションが発生し、中央奥のVゾーンに入賞すれば権利発生となる。以後は右打ちで権利消化。最大で16ラウンド継続し、約2300個の出玉を獲得できる。大当り確率は235分の1。(写真は「パチンコ必勝ガイド Classic Vol.5/ガイドワークス刊」より)

 この機種のなにが面白いかって…連チャンするか否かが「権利終了後、1回転目の中デジタルの停止出目」で決まるんですよ。ここで中出目に「奇数」が停止すれば確変に突入して、次回の権利獲得まで大当り確率が10倍アップ。確変中はデジタル上部のアーチ型ランプが全点灯するので(非確変時にはランプが点滅)、確変を見落とす心配もありません。

 そして、この機種で何よりアツいのが、回転中のデジタルを凝視すれば「中出目に奇数が出るか偶数が出るか」を一瞬早く察知できること。具体的には、回転中のデジタルが視認できた瞬間(スロー回転になる瞬間)、中出目の表示が奇数なら最終的に必ず奇数が停止し、偶数が見えた場合には残念賞となるわけです。

 まぁ、不測のリーチ発生で法則が崩れて「リーチさえかからなければ確変だったのに…嗚呼!」と頭を抱えることも稀にありますが、イレギュラーの発生で逆に得をするケースもあるわけで、非常にスリリングなゲーム性でした。

 ちなみに、当時のパチンコ攻略誌には例外なく「確変突入率2倍アップ打法」と称した攻略ネタが掲載されていました。

 つまり、大当りを14Rまで普通に消化して、15R目は回転体に玉を乗せないように左打ちで消化→デジタルが回転体の7時の位置で始動するように調整して右打ち→16R目の開放直後にデジタルが始動→アタッカーに9個拾われた時点で打ち出しを停止→中デジタルに奇数が見えたら10個目を入賞させて権利を即終了させる→偶数の場合はフルオープンしてデジタル停止を引き伸ばす→これで確変突入のチャンスが2倍になる…という理屈です。

 ただね、実際にやってみればわかるんですけど、とにかくタイミングが凄くシビアで、思う以上に疲れるんですよ。ようするに、やると聞くとでは大違いってこと。それに、店側にアタッカーへの寄り釘をマイナス調整されてしまうと、それだけで攻略法として成立しなくなるため、個人的には「普通に消化したほうが良い」という結論に辿り着きました。

 だって、普通に打っても2分の1で確変に入るんだもの。一部のパチプロは実践していたかも知れませんが、労力と見返りのバランスが取れないように私は思いました。

 なので、個人的には1回権利をしっかりと消化し、姿勢を正して次の1回転目を楽しむのが常でした。そういえば、あるときこんな出来事もありました。

なぜだか大当りの効果音が? デジタルを見ると…

 権利消化後の1回転目、中出目がスローになった瞬間に奇数が見えたので心の中でガッツポーズしたら、タイミング悪くリーチがかかりましてね。「偶数止まるな、偶数止まるな!」と全身全霊を込めて祈ったにもかかわらず、無情にも中リールに停止したのは「0」だったんです。この間、ほんの数秒だと思います。

 またこの残念パターンかよ…と肩を落としたのですが、なぜだか自分の台から大当りの効果音が流れています。「えっ?」と思ってデジタルを見ると、停止していたのは前後賞の「707」。そういや3と7には前後賞の大当りがあるんだった。

 奇数よ止まれとそればかり念じていたため、その刹那には前後賞の可能性なんて完全に頭から消えてました。まぁ、権利終了後の1回転目に235分の1の大当りを引いただけですが、なぜだか妙に得をしたような気分になりましたよ。

ルール違反で「店員さんに連行」されたヤカラの話

 それからもう一つ。ピンボールにはモーニングがありましてね。ただし、綱取物語のように電源のオフ→オンで勝手にモーニングが入るんじゃなく、朝イチの客寄せに店側が仕込む類のモーニングでした。

 仕込み方は実に簡単。台のガラスを開けて役物内のVゾーンに玉を2個入れるだけです。これで権利終了後と同じ状態になるため、次の1回転目で中出目に奇数が出れば必ず確率変動に突入します。

 半分は偶数が停止するので、必ずしもモーニングの恩恵に与れるわけじゃないけど、それでも2分の1の割合で約2300個を得られるわけですから、打ち手にしてみれば凄く嬉しいサービスです。

 だけどね、そうなると必ずズルをするヤカラが出てくるんですよ。当時、私が通っていた大分市の某店も不定期にモーニングを入れてたんですが、朝イチに複数台を押さえてそれぞれ1回転だけ回し、奇数が停止したなら(確変突入をアーチランプの店頭で確認)彼自身が打つ1台を残して売りに出すんです。「ニイちゃん、ピンボールの確変をやるから半分バックでどうや?」って。つまり、確変終了までに得た出玉を半分よこせってことですね。

 なんともひどい話ですけど、その条件に乗れば少なくともマイナスはないわけで、客の何人かはこのヤカラの打ち子になってました。そして、私も声をかけられたんですが、こういうヤカラは大嫌いなんで断固として断りました。

「あとで後悔しても知らんぞ!」って捨てゼリフを投げつけられたけど、おそらく誰かが店側にチクったんでしょう。小一時間も経ずにヤカラはパンチ頭の店員さん数人に連行されていきました。

 なお、このヤカラは店の常連だったんですが、その翌日から一度も姿を見てません。おそらく、出入り禁止を言い渡されたんでしょうね。そりゃそうだ。モーニングの独占はルール違反に他なりませんし、それで私腹を肥やそうなんて最低の行為です。

 ただね、かつてパチスロの攻略法で事務所に連行され、非常に怖い目に遭った経験がある身としては、あのヤカラ君が店長さんに優しく諭されていたら良いなぁ…と願ってやまないのです。

ドラゴン広石

ドラゴン広石

ドラゴン広石(昭和38年12月生まれ)
平成7年に白夜書房「パチンコ必勝ガイド」編集部の門を叩き、パチスロの知識と経験、目押し力を買われて「パチスロ必勝ガイド」のライターに採用された。リアルタイムで「パチスロ0号機」を遊技した経験を持つ、唯一のパチスロライターである。令和4年現在でライター歴は27年。代表作に「枠上人生」、「浮草家計簿」(連載中)、「回胴絶景」(連載中)など。1日の最大勝ち額~プラス41万3千円(クラブロデオT)、1日の最大負け額~マイナス12万9千円(初代・北斗の拳)。

Twitter:@dragon_hiroishi

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