パチスロ「快勝」の日に起きた災難…【濱マモルののほほんコラムVol.274～最果て～】

■濱マモルののほほんコラム～最果て～

　忘年会、新年会のシーズンになると、よくテレビで乗り過ごしでの“最果て駅”が紹介される。

　横浜の元町で産まれて以来、ほぼ神奈川県に住んでいる。途中、母親の都合で田舎の愛媛の南宇和、親父の仕事に付随して兵庫の神戸に一瞬だけ住んだり、当時、いい感じだった女性の家に転がり込んで、埼玉の和光や新宿を拠点とした時期もあったが、今は元々の実家に。固定資産税だけで住めるのだから、亡き両親には感謝である。

　とはいえ、都内からは結構な距離がある。仮にタクシーで帰宅した場合は嫁さんに激ギレされるし、そもそも、そんな金はないので、メーカーさんでのショールーム試打などの後、同行者と一杯交わした際は電車で帰宅。しかも、途中で尿意に襲われても対処できるように、終電の数本前には帰路につくように心掛けている。

　よって、万が一、寝過ごしてもUターンできるケースが多いわけだが、1回だけ、やらかしてしまったことがある。それは、飲み会の前に、パチスロ5号機『ハナハナホウオウ－30』で2,000枚ほどのプラスを叩き出して上機嫌だった夜。ついつい飲み過ぎて新宿から湘南新宿ラインの最終に乗ると、気付けば終点の国府津駅だったのである。

■約4万円のプラスだったことから…

　トイレもあるし、グリーン車に乗るという保険はかけていた。降車予定の横浜駅を過ぎると、乗車資格を示すランプが変色。すぐグリーンアテンダントさんに気付いてもらえれば、戸塚駅や大船駅で下車できるわけで、ここからだったら、どうにかなる。

　だが、その日は起こせど起こせど無反応だったのか、最終的は放置された模様。グリーンアテンダントさんには申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、それ以上に焦ったのが、駅周辺になにもないことである。高校時代、足柄の山北に住む友人宅へ遊びに行くため、御殿場線の乗り換えで下車したことはある。おそらく、この地に降り立ったのは、それ以来だ。

「改札口を出れば、なにかあるかも」。一縷の望みをかけて改札口を出るも、悲しいかな、人すらいない。駅員さんに相談したところ、「小田原に行けばホテルがありますよ」とのことで、ここから東海道線に乗り、さらに遠方へと移動した次第だ。

　ただ、いきなり酔っ払いが押しかけても、部屋を貸してはくれないのだろう。ことごとく断られると、タクシーの運転手さんから「兄ちゃん、どうした？」との声かけ。事情を説明すると、「あっちにスーパー銭湯があるから」と割引券をくれた。

　非常にありがたいことなのだが、実は大衆浴場が苦手だ。それが根底にあるからか、歩けど歩けど大きくならない看板に嫌気がさしたアタシはくるりと引き返し、駅に戻った。

「あら!?　戻ってきたよ」。タクシーの運転手さんは、驚いたようだ。当初は、朝まで営業している居酒屋を探して、始発まで時間を潰そうと考えていたのだが、そのタクシーの運転手さんからは「どうせ、もう客はいないし。横浜まで1万円で行ってやるよ」とのありがたき提案。

『ハナハナホウオウ－30』で4万円ほどのプラスだったことから迷わずお願いしたわけで、奇遇にも帰りの道中、パチンコ・パチスロトークで盛り上がったその日を、最果て駅特集を見ると思い出すのである。