パチンコ店のミスで常連客が激昂。「店長を出せ！」…事務所まで怒鳴り込みに!?

　あれは多分5、6年くらい前だっただろうか。

　バラエティーコーナーに1台だけ設置していた『モンスターハンター月下雷鳴』で何らかの機械トラブルがあり遊技停止としていたのだが、それを解消した翌日のことだった。

　コトの発端はこうだ。「本来であれば修理完了（部品交換等はなし）しているため朝イチから稼働させる予定」だったが、「手違いで整備中と書かれた札が置かれたままで電源もOFF」になっていた。

　当日は、その故障台の隣で常連客Aが打っていた。見た目は中々の強面だったが、決して粗暴な面もなく普通に良いお客さんだった。で、その方は無類のモンハン好きだったのである。　

　その常連客Aからスタッフに声がかかる。「このモンハン打ちたいんだけどまだ直ってないの？」と。早番と遅番の連絡不足もあり、故障したままだと思っていた早番スタッフは「まだ開放できない」という旨を伝えたのだった。

■スタッフの判断ミスが修羅場を生む!?

　その後に早番と遅番が勤務交替したのだが、たまたまシマに入ってきた別の常連客が遅番スタッフに「モンハンは打てないの？」と声をかけた。そのスタッフというのが修復作業に取りかかった張本人だったため即答。

「大丈夫です昨日店長にも確認取っていますのですぐに電源入れます」

　その日は朝イチから解放していないので、本来であればそのままにしておき翌日に開放するべきなのだが…これがいけなかった。これを見た常連客Aは激怒。当然である。「自分はダメで他の客には開放するのか」と思われても仕方ないだろうが…。

　遅番スタッフが前日の修復作業後に電源を入れ忘れた旨を伝え謝罪すると、その時はしぶしぶ納得してくれたのである。

　しかし、この後の展開が悪かった。

　そのモンハン月下は、まるで憑き物でも落ちたかのように大連チャン。フリーズまで引いてしまう始末で、あっという間にドル箱を積み上げていったのである。

　これを見て、一旦は引き下がった常連客Aが激昂。その日は大負けしていたこともあり、次第に怒りが込み上げてきたのかもしれない。常連客Aは激しい口調で「店の仕込みか？」「自分には打たせずに他の客には打たせた」等と騒ぎ立てる。

 そして「店長を出せ！」とスタッフに詰め寄ったのだった。事務所まで怒鳴り込みに行く勢いだったという。　

　しばらくして店舗に着いた私は、状況を把握できないままAと対峙するはめに。冷静さを失い興奮したままのAと、修理した当事者スタッフの両方から事情を聞いた。

　そして、全てを把握した私はAにひたすら頭を下げたのである。徐々に冷静さを取り戻した常連Aも最後には引き下がってくれたが、心情的には納得できなかったことだろう。

　結局は管理が行き届いていなかった私自身の不徳の致すところ。信用を築き上げるのは時間がかかるが、失うのは一瞬だ。

「たったひとつの些細な連絡ミスが、これほど大きなトラブルになるのだ」と痛感させられたと共に、大いに反省させられた出来事だった。

（文＝オーハナB）
<著者プロフィール>
元ホール店員、店長経験者。パチンコ店の裏側で起きた出来事や、人間関係を題材にしたコラムを担当している。過去に話題になった業界ネタなど、時代背景を感じる記事も作成中。自身の思い入れのあるシリーズの動向にも熱い視線を注ぐ。

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