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「パチスロの目押し」を強要…店員を苦しめた悪質な常連客!

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 今回の経験談もまたかなり昔で、学生時代にパチンコ店でアルバイトをしていた頃のお話。その地域は反社会的な組織の事務所が比較的多いことで有名な所だったのだが、私の勤めていたパチンコ店にも“ソレ風”のお客さんは非常に多く見かける印象だった。

 時代が時代だけに見た目が“ソレ風”だからだといって、必ずしも当てはまるかどうかは分からない。ただ、「“如何にも”な見た目の場合は気を付けるように」と先輩から教えられていた。とにかく“ソレ風”のお客さんと接する際には細心の注意を払ったものだった。

 しかし、その“如何にも”な見た目の常連の中には非常に面倒くさいタイプがいたのだ。その常連客はパチスロ遊技客で、ボーナスフラグが成立する度に従業員を呼び出すのである。

 現在のパチンコ店ではパチスロ遊技客に対しての従業員による目押しサービスは禁じられているが、当時はまだOKだった。ランプで呼び出され目押しをするのも日常の行為だったのである。

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 さて話を戻すが、件の常連客は左・中リールまでは従業員に押させて右リールのボーナス絵柄は自分で押して揃えないと気が済まないというややこしい人だった。しかも、これがまたとんでもなくヘタで…。

 ストップボタンを押すタイミングや絵柄の見分け方など、色々とレクチャーしてみるも全くもってダメ。それにも関わらずスグに機嫌が悪くなり「お前のせいだ!」などと悪態をつく始末。結局、ボーナス絵柄を揃えるまでに何回転、時には何十回転かかることもあり時間ばかり取らされるのだ。

 しかし従業員よりも苦しんでいたのは一般のお客様。たまたま知らずにその常連客の隣に座ろうものなら「おう兄ちゃん、これ揃えてくれんか」と語りかけられてしまうのだ。若者が揃えようとすると、「ちょっと待った、最後は俺が揃えるから」と制止。見事に失敗して、その行為を繰り返しやらされるのだから堪ったものではない。

 従業員ならば立場的にも我慢しなければいけないかもしれないが、全く関係ない客なのだから。しかし、お店側がその行為を止めようにも全く聞く耳を持ってくれず…困り果てたことは数え切れないくらいだった。

 当然、その若者は店には来なくなるし何も良いことはなかった。普通ならば出入禁止でもおかしくはないと思うが、店側にも事情があったのだろう。

 “ソレ風”の客が多かったアノお店。あまりの特異さに私自身も3週間ほどで辞めてしまい、その地域からも離れてしまった。今となっては、どうなったのかも分からないままだ。

(文=オーハナB)
<著者プロフィール>
元ホール店員、店長経験者。パチンコ店の裏側で起きた出来事や、人間関係を題材にしたコラムを担当している。過去に話題になった業界ネタなど、時代背景を感じる記事も作成中。自身の思い入れのあるシリーズの動向にも熱い視線を注ぐ。

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