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「機械割115.3%の設定6」ゲットを確信したが…【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第76話:クレオフイベント】

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第76話 クレオフイベント

 ライター来店取材などの擬似イベントが存在しなかった4号機時代の末期、巷のホールでは毎日のように激アツの集客イベントが開催されていました。

 北斗の日、吉宗の日、番長の日…等々、現在では一発アウトの「機種示唆」も公然と行われており、人海戦術をもってシマを占拠するいわゆる「軍団」は、この頃に勢力を増したように思います。まぁ、私のようなソロプレイのスロッターは、怪我をしないように敢えて示唆機種を避けたりもしたんですけどね。

 もちろん、この頃にはすでに入場抽選+整列入場のシステムがありましたが、基本的にお行儀が良いのは入口を通るまで。店内に入ったらみんな猛ダッシュでイベント機種に走るわけですから、腕力にも体力にも自信のない私が怪我をしない動線を優先したのも無理からぬことでした。

 そんな私が積極的に参加したのが「クレオフイベント」です。ようするに、初ビッグ後にクレジットが落ちれば高設定(多くの場合は設定6)が確定する…みたいな内容のアレですね。

 クレオフイベントは機種示唆と違って「全機種が対象」となるケースが多いため、軍団の皆さんは手っ取り早く設定6をツモれる機種イベントの店に向かってくれました。だって、全シマを掘り起こすのって大変ですからね。つまり、クレオフイベントは名称こそイベントと謳っていますが、その実、さほど美味しくはなかったんですよ。

 そんなわけで、今回は私が実際に体験した「悲しいクレオフ」のエピソードをお届けしますね。以下、本編。

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 時は平成17年(2005年)の7月。当時、私は中野区の沼袋に住んでまして、プライベートのスロは主に中野駅周辺・江古田駅周辺のいずれかで打っていました。今では多くのパチンコ店が閉店して寂しくなりましたが、この頃は毎日のように朝イチに各ホールからイベント案内メールが送られてきており、イベントの内容(自分が立ち回れるかどうか)を吟味した上で実戦ホールを選んでたんです。

 そして、私がこの日に向かった先は「本日は全機種全台、初ビッグ後にクレオフしたら設定6です」というメールを送ってきた江古田の某店でした。

 もちろん、機種示唆のイベントを行ってる店もありましたが、前述したように私は腕力にも体力にも自信がない脆弱スロッターですから、対象機種に座れなかった時点でアウトになるイベントはなるべく避けていたのよね。まぁ、弱者なりの立ち回りと説明すれば理解して頂けるでしょうか…。

 でもって、私が朝イチに座ったのは『主役は銭形』のカド3でした。この台は前日ビッグ回数がシマで最も少なく、クレオフイベントで設定6を仕込んでもおかしくないと、そう考えての選択です。

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平成16年にデビューした平和の4号機『主役は銭形』。当時、大人気を博していた吉宗タイプの「大量獲得ストック機」で、ビッグ後の連続演出に成功(銭形がルパンを逮捕)すれば設定不問&約30%の割合で「3G連チャン」が発生する(BR振り分けは概ね6対4)。また、3G連に漏れた場合でも、次回181G以内のSTゲーム数が40%~50%の割合で選ばれるため、時として一撃数千枚もの出玉を吐き出すこともあった。ビッグ中は押し順ナビを遵守するだけで簡単にMAX711枚の獲得が可能で、消化中に純ハズレorJACハズレが出現した場合は必ず1G連でビッグが放出される。(写真は「パチスロ大図鑑2001~2007/ガイドワークス刊」より)

 すると、ラッキーなことに100Gを超えた付近でタイプライター「チェリーを盗め!」が発生して、中段チェリー停止から右上がりにビッグが揃いました。銭形の中段チェリーは抽選確率が8192分の1で、出現時には必ずSTが即解除されます。

 もちろん、次回ボーナスの種類は内部的に決まっているので、中段チェリーを引いても必ずしもビッグとは限らないわけですが、タイプライターを伴った場合は「当たれば必ずビッグ」という法則があるため、この場合は問答無用でビッグ…というわけですね。

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当時の写メ。解像度が低く見づらい点はご容赦を。

 でもって、ビッグが終了すると同時に、台が操作を受け付けなくなってクレジットが全て払い出されました。チャチャチャチャチャ~…って、なんて心地よい音でしょう。

 どうやら私が期待した通り、前日に最もビッグ回数が少なかった台にクレオフを仕込んだみたいですね。とにかくこれで1日仕事が確定しました。何しろ銭形の機械割は設定6で115.3%もありますから(メーカー発表値)、すげぇ気合いが入ります。

 ところが、リセットに来た店員さんは、私の台番号を見ながらインカムで何やら話し込んでいます。なんだか嫌な感じだなぁ…と思っていると、しばらくしてネクタイ姿の主任っぽい人がやってきて、とんでもないことを言いやがったんですよ。

「当店のミスで隣の台と間違えてクレオフを仕込んでしまいました。なので申し訳ないですが、この台は設定6というわけではございません」

 一瞬、目が点になりました。てゆーか、そんなんアリかい!

 すでに銭形のシマは満席で、当然のことながら両隣の台も客が付いています。どちらが設定6なのか知らないけど、そんなことを聞くわけにはいかないし、聞いたところで教えてくれるはずもないし、店員さんの言葉を漏れ聞いた両隣の客のプレイ速度が上がるのを見て、もはやこれまでと諦めました。

 でもまぁ、万が一ってことがあるじゃないですか。つまり、実は設定6なのだけど、特定の客(この場合は私です)に打たせたくなくて嘘を言ってるかも…ってね。それで、納得するまで続行することにしました。

 投資4Kで出玉が711枚あるし、飲まれる前に当ればいいと考えちゃったんですよ。それに、まだ3G連の可能性だってあります。ああ、手動でリセットした場合、3G連演出は発生しないのね。だけど、3G目に何でもいいから演出が発生すれば…って何も起きないし。

 そうこうしている内に出玉を全て飲まれ、565Gを超えて納得がいきました(設定6の銭形は565Gまでに8割弱がボーナスを放出する)。これはたぶん店の人が言った通りだね。

 もちろん、ここまで回せばヤメるわけにはいきません。心を空っぽにして機械的に打ち込んでいると、960Gを過ぎた付近から液晶が騒がしくなって、995Gで確定告知が発生しました。すでに結果は見えています。このゾーンはいわゆる「バケ天」につき、ビッグが出てくる可能性は限りなく低いんです(1000Gを超えたらビッグ確定。最大1490G)。

 こうした予感はほぼ外れません。思った通りリール上では黒いのが揃って、さらに天国のゾーン(181G)を回すために買い足してヤメ。朝イチのビッグでクレオフした時は盆と正月がいっぺんに来たような気になったのに、今では仏滅と天中殺が手を繋いでダンスをしている幻影が見えてます。うーん、店の人の言葉を信じるべきでした!

 結局、この日は25K負け。時計の針はまだお昼を過ぎたばかりなのに、私は肩を落としてトボトボと沼袋に帰りましたとさ。嗚呼、若気の至り(涙)。

ドラゴン広石

ドラゴン広石

ドラゴン広石(昭和38年12月生まれ)
平成7年に白夜書房「パチンコ必勝ガイド」編集部の門を叩き、パチスロの知識と経験、目押し力を買われて「パチスロ必勝ガイド」のライターに採用された。リアルタイムで「パチスロ0号機」を遊技した経験を持つ、唯一のパチスロライターである。令和4年現在でライター歴は27年。代表作に「枠上人生」、「浮草家計簿」(連載中)、「回胴絶景」(連載中)など。1日の最大勝ち額~プラス41万3千円(クラブロデオT)、1日の最大負け額~マイナス12万9千円(初代・北斗の拳)。

Twitter:@dragon_hiroishi

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