しつこく「理不尽な要求」をしてくる相手に、若き日の濱マモルが取った行動は…!? 昔のパチンコ屋は○○だった話～後編～【アニかつ・濱マモルの回胴酔虎伝Vol.041】

• ＜目次＞
• 昔のパチンコ屋は○○だった話～後編～
• 「理不尽な要求」をしてくる相手に…
• 昔のパチ屋の方が平和だった？

■昔のパチンコ屋は○○だった話～後編～

　自他共に認める回胴界きっての呑兵衛ライター、アニマルかつみと濱マモルが、お酒を酌み交わしながらパチスロ（時にパチンコ）にまつわる話を繰り広げる本企画。前回に引き続き今回も、「昔のパチンコ屋は○○だった話」と題し、若かった頃のお二方がパチンコ店で目撃した事件や実際に体験した出来事などについて、語っていただくとしよう。

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──前回、アニかつさんは「ルールを守って大人しく遊んでいる限り、怖い目に遭うことはなかった」とおっしゃってましたが。

アニマルかつみ（以下、アニ）:
そうですね。他の客と揉めたり、パンチの効いたお兄さんに理由なく絡まれたりしたことはなかったです。ただ、店員を怒らせたことは、何度かありますね。

濱マモル（以下、濱）:
なんか悪いことでもしたんですか。

アニ:
いやいやいや。ちょっとしたミスというか、なんというか…。昔って、クギ調整が雑で「ブドウ」が出来ちゃうことが、よくあったじゃない。

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──玉がクギに挟まって、打ち続けているとどんどん貯まっていってブドウのような状態になる…ってやつですか。

アニ:
そうそう。で、基本的にはすぐに店員を呼んでガラスを開けてもらって…そうすると、サービスでチャッカーに玉を何発か入れてくれるんだけど、その日はなぜかそのまま打ち続けてたのね。そしたら…

濱:
わかります。「ブドウ」に弾かれて普段は入らないところにどんどん玉が入って、当ってもいないのに玉が増えてゆく…と。

アニ:
最初は「ラッキー♫」って感じだったんだけど、ドル箱いっぱいになって、「さすがに当ってもないのに流すのはマズいな」ってなって、辛抱たまらず通りかかった店員を呼び止めたのね。そしたら「こらっ、なんでもっと早うに言わへんねん!!」って烈火の如く怒られて、持ち玉ぜんぶ没収。

──そりゃあ没収されますよね。遊技の結果による出玉ではないわけですから。

濱:
アタシ、『CR大工の源さん』で1時間くらい、「ブドウ」ができた状態で打ち続けてめっちゃ出したことありますよ。

アニ:
よく途中で気づかれなかったね。

濱:
テキトーな店だったんですよ。店員も見て見ぬふりで。

アニ:
まぁ、当時のパチ屋は、一応ホルコンはあったけど、経営的にはどんぶり勘定なところが多かったからね。いまみたいにマニュアルに沿った従業員教育なんかも無かっただろうし。

■「理不尽な要求」をしてくる相手に…

──客同士のケンカとか、悪さした客が店員にとっちめられたりしてる場面に遭遇したことはありますか?

アニ:
たまに…かな。あ、そうそう。ケンカといえば昔、蒲田の店でデータ取りをしてる時に、面白いことがあったな。

濱:
蒲田のパチ屋ってだけで、事件の匂いしかしないんですけど。

アニ:
…だよね。で、その日は朝から『マスターダック』のキッツい裏モノを3人くらいで打ってたんだけど、小役がぜんぜん落ちなくてお金遣うスピード速いし、当っても大して連チャンしないし、みんなで「どよーん」ってなってたのね。そしたら…あの、積み上げてるプラスチックのドル箱が床に崩れ落ちる音って、わかる?

濱:
…ああ、わかります。「カンカラカーン」って、めっちゃ響きますよね。

アニ:
そう。裏のシマの方から、その「カンカラカーン」って音がかなり響くとともに「テメェ、この野郎!!」って怒号が聞こえてきて。「お、なんだなんだ」ってみんなで色めき立って、様子を見に行ったのね。そしたら…。

濱:
蒲田だから、昼間っから飲んだくれてる酔っ払い同士が殴り合ってた…とか。

アニ:
…って思うでしょ。そしたら、店員同士がつかみ合いのケンカをしてて。

──えっ、店員同士が営業中にケンカですか。

アニ:
そう。もう、おかしくってさ。昔のパチ屋の店員だから、お金の貸し借りでこじれたか、あるいはカウンタの女性店員をめぐって…とかだったんじゃないかな。

濱:
あぁ…ありそうな話ですね。アタシの場合、若い頃はいまよりもずっと血の気が多かったんで、変なヤカラに絡まれてケンカになったことは、まぁまぁありましたね。

アニ:
自分と知り合った頃も、まぁまぁ血の気が多かったけどね。理不尽なことされたりしたら、すぐにブチ切れたりして。

濱:
昔、『パピードッグ』の裏モノで、リプレイハズシがめっちゃ効くバージョンがあったじゃないですか。

アニ:
はいはい。初期に出回った、いわゆる「ベルVer.」ってやつね。

濱:
それで出してたら、ちょっと悪そうなお兄さんが「出してるねー。ちょっと、メダルくれよ」って言うんですよ。友達に教えてもらった店だったんで、たぶんそいつの先輩かなんかかなと思って、「あ、はい」って少しだけ渡したんですね。そしたら、その日以来、会う度に「くれくれ」って言ってくるんですね。あまりしつこいから、我慢できずブチ切れて「テメェ、いい加減にしろ!!」ってなって…。

──そこから大立ち回りが始まった…と。

濱:
いや、それが…ですね。アタシがヤツに喰ってかかろうとした瞬間、どこで見ていたのか店員がすっ飛んできて、ソイツの首根っこ掴んで事務所に引きずっていったんです。

アニ:
あー。店員もわかってたんだ。他のお客さんにも同じように「くれくれ」とねだってたんじゃないのかな。

濱:
でしょうね。まぁ、余計なケンカにならなくてよかったんですけど…あ、そうそう。他にもこんな話があります。横浜の○○にあった○○って店に『ビガー』を打ちに行った時のことなんですけどね。

アニ:
…ああ。昔は裏モノで有名だった○○ね。自分も当時は、何度か裏モノのデータ取りで行ったことあるけど、客層がもう…。

濱:
そうなんですよ。で、友達の○○ってヤツと行ったんですが…。

アニ:
…ああ、○○君ね。これはもう、事件の匂いしかしないわ。

濱:
タチの悪い常連軍団みたいなのがいて、朝、アタシらがキープしておいた台を素知らぬ顔して打ち始めやがったんですよ。もう、○○ともどもブチ切れですよ。

アニ:
昔の裏モノ設置店って、客層が荒れてるところがほんと多かった。幸い、自分はそういうトラブルに巻き込まれることはなかったけど、出しちゃった時なんかは通りすがりに後ろでブツブツ言われたり、ほんと居心地が宜しくなかったな。

濱:
裏モノじゃなくても、4号機時代ってヌルい店が多く、いくでも稼げるネタがあったから、台取りなんかをめぐって揉めることは少なくなかったですね。

■昔のパチ屋の方が平和だった？

アニ:
台取りといえば、昔の開店プロは怖かったな。早くに並んでも、次から次へと前に割り込んできて、新台を取ろうとしたら「なんやお前。ワシらにケンカ売るんかコラッ」ってすごまれてね。

──4号機時代の出玉煽り系イベントの時も、昔は並び順でしたからね。

濱:
…でしたね。前日から徹夜で並んだりして。暇潰しに酒呑んだり麻雀してる連中とかもいましたよね。

アニ:
それでいうと、爆裂AT機が盛んだった頃の川﨑にあった超有名店がヤバかったね。『獣王』とか『コンチ4X』の全6とかの時なんか、千人くらい並んだらしいけど、あそこって場所がヤバかったじゃない。

濱:
川﨑でいちばん危険なところでしたね。「お風呂屋さん」とか、それを取り仕切ってる「事務所」が密集してて。

アニ:
そうそう。で、超有名店だから地方からやってくる若い子らもいて…でも、そういう土地柄ってことを知らないで、舞い上がって夜中に騒いだりするんだって。そしたら、「事務所」のお兄さん方が出てきて、キッツイお灸を据えられたり…そんなことが、よくあったらしい。

濱:
そういう時代から比べると、パチ屋もずいぶんと平和になりましたよね。

アニ:
とにかくいまって、何かことを起こすとすぐに周りの誰かが面白がってSNSとかにアップするからね。平和になったというか、なんというか…。

濱:
パチ屋の中に限らず、なんか息苦しい世の中ですよね、いまって。パンチの効いたヌシがいて、その人を頂点にして秩序が保たれていた昔のパチ屋の方が、ある意味で平和だったのかも知れませんね。

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2回にわたってお届けした「昔のパチ屋は○○だった話」、いかがだっただろうか。まだまだ他にも、様々な逸話やエピソードをお二方には披露していただいたのだが、伏せ字ばかりになりそうだったので、今回は見送りとさせていただいた。

　ひょっとしたら今後、お二方それぞれのコラムの中で、「ぽろっ」と暴露させるかも知れないので、期待しておいてほしい。