パチンコ「伝説」始動…「頂点」に君臨した役物機の思い出
東京に出てきて驚いたことのひとつにラーメン屋の多さがある。
ラーメン不毛の地ともいわれる関西圏には、専門店としての「ラーメン」というジャンルはほとんど記憶になく、いわゆる町中華やそれに準ずるチェーン店で関西人はラーメン類の定義がされていたように思う。
関西人にとってラーメンといえば「天下一品」であり、中華といえば「王将」なのである。
「王将」には大阪と京都の2種類あるが、当然後者を指す。そして、王将といえば「餃子」をイメージするが私にとっては焼き飯であった。
この焼き飯は店舗ごとに味が微妙に違い、どこで食べてもおいしいが、大阪・十三の「餃子の王将」で食べた焼き飯が絶品で、その時の印象が強く残っている。そんな町男的ソウルフードがまさかパチンコになるとは学生時代の私には見当もつかなかったであろう。
『CR餃子の王将』は2000年代の役物機でもっとも成功したタイトルといっても過言ではない。『天下一閃』や『天龍』など瞬間最大風速では遅れをとったかもしれないが、シリーズの継続性とスペックラインナップの豊富さは他を圧倒し、その存在感は重厚である。
他方、本機が提唱した役物機構が他メーカーにリスペクトされ、オマージュされ続けて、あの権利物の名機『ホー助くん』までが魔力に惹きつけられた現状を鑑みるに、「現代最高峰の役物」といった称号を与えるにふさわしい立場にいるのではないだろうか。
じつは初代の役物は今と違う作りになっていた。
飛び込み口を抜け役物内に進入した玉は左右に揺れるブリッジ役物などを通過してセンターの可動役物に向かう。ここを抜けて最下ステージに搭載された突起が付いた黒い回転体をくぐり抜けて中央に設置されたポケットに入るとデジタルが回転する。
役物に内蔵されたドット画面によって演出が展開し、「3」or「7」揃いになれば大当り。右打ちによる電チューの連動によって出玉を獲得する仕組みとなっている。