カジノ法案可決でパチンコ業界激震!?カジノ誕生に対するパチンコ関係者の「ホンネ」を直撃
カジノ解禁を含む「IR推進法案」が、12月15日未明に衆議院本会議で可決され成立した。これにより、カジノ施行へ向かう動きが激化していくことになる。
「ギャンブル依存症の増加」「治安悪化の可能性」などカジノ設立については、さまざまな問題点が指摘されている。それと同時に囁かれているのが、実現に伴う「パチンコ業界の衰退」だ。
年々規模を縮小しているパチンコ業界にとって、カジノ解禁は無視できない存在。「遊技者減少」へ繋がる可能性を秘めており「業界の衰退に拍車がかかる」といわれている。しかし、パチンコ店側には「危機感」を抱いていない人間もいるようだ。
「カジノが店の運営に影響を与えることは間違いないでしょう。しかしそれは、近隣にあればの話です。パチンコ店のように全国各地にできる訳ではありませんから、問題視する必要はないと思っています。業界全体としては気にするべき案件かもしれませんが、現時点で私たち(店を運営する側)は競合相手とは思っていません。
むしろカジノが成功することによって、パチンコへの見方が変わってくれるといいですね。カジノもパチンコも同じ『ギャンブル』というカテゴリーに括られていますが、パチンコは娯楽や息抜きとして生まれた遊戯です。カジノの成功によって、パチンコの『ギャンブル』というイメージが薄れることを期待したいです」(パチンコ店長)
確かにカジノの設立は統合型リゾート施設内と決められている。そのような施設が次々と作られるとは考え難い。日本で数箇所にしか設立されないであろうカジノに対し、パチンコは最盛期より減少しているとはいえ1万(全日本遊技事業協同組合連合会調べ)を超える店舗が存在する。
「いつでも・どこでも・気軽に」遊戯できる点がパチンコの特徴だ。「遊べる場所が特定されるカジノ」と「気軽に遊べるパチンコ」に、競合する要素は少ないのかもしれない。
客層の違いも挙げられるだろう。「一部の富裕層が楽しむ」イメージが強いカジノに対し、パチンコは学生から高年齢層まで「人を選ばない」遊戯。この「客層の違い」という点も、競合する可能性が低い要素といえるだろう。
カジノの成功が「パチンコのギャンブルイメージ払拭」へ繋がるかは明言できないが、その可能性を完全に否定することもできないのかもしれない。何れにせよパチンコ業界の一部の人間は、「カジノは競合相手ではない」と現状では考えているようだ。
ただ、カジノ解禁が「遊技者減少」「規制強化」へ繋がる可能性を秘めていることは間違いない。競合相手ではないとしても、パチンコ業界にとって無視できない存在ではある。
(文=高杉晋太郎)