パチンコ店を襲う「最強クレーマー」に精神崩壊の危機…「閉店後も続く攻撃」を止めたのは「最強スペック」!?
あれは5年ほど前。ホールへ一人の女性客が来店し、他のスタッフへ何かを訴えかけておりました。もの凄い剣幕で明らかに怒りを露わにされているお客様。ただならぬ空気を感じた私は、対応しているスタッフへ「何があったんですか?」とインカムで尋ねました。
すると、「自分も良く分かりませんが、なぜか凄く怒っています」という不可解な返事が返ってきたのです。怒っている理由が分からずに困り果てているスタッフに助け舟を出すべく、私も女性客の対応に向かいました。
「どうされましたか?」と私が聞くと、そのお客様は「どーしたもこーしたもないわよ!」「1回も大当りなしよ!」「私を陥れるつもりね!」とまくし立てるように言い放ってきたのです。
その鬼気迫る勢いに圧倒されつつも、冷静に話し合いができるように言葉を選んで慎重に対応しました。しかし、この方は怒りを鎮めるどころか言動が更にエスカレート。いつしか私は、ひたすら口撃を耐えるだけのサンドバッグと化していたのです。
その言葉は「〇ソ店員!」「ボッタクリ!」(これ以外の内容は、とてもじゃありませんが公表できません)など、品のある容姿からは想像できない過激なもの…。自分の話している内容に怒りを覚え、更に腹を立てるといった激情タイプの方でエンドレスに対応が続きました。
30分ほどが経った頃でしょうか。この女性客もさすがに疲れた様子で、ぶつくさと文句を言いながら私から離れていったのです。解決はしませんでしたが、ひとまず解放されてホッとしたのを覚えております。
それからというもの、このお客様はスタッフの間で「クレーム婦人」と呼ばれ、恐れられる存在となりました。
この方の遊技している台をスタッフが通りかかると、必ずといっていいほど「こっちくるんじゃないわよ!」などの文句を言ってくる状況。もはや誰も近づきたがらない存在として恐れられておりました。誰もが「そんなに文句があるなら来なければいいのに…」と思っていたはずです。
そんな「クレーム婦人」の魔の手は、いつしか営業時間外にも及ぶことに…。あろうことか、閉店後の店に電話をかけてきたのです。
電話に出たのは閉店作業中のホール責任者でした。電話越しでも持ち前のマシンガン口撃は健在で、約1時間は拘束されていたと思います。これによって、店の売上管理やホールコンピューターの締め作業が大幅に遅れ、退勤時間は深夜1時を過ぎることとなってしまったのです。
閉店後の電話は、その後も数日にわたって続きました。明らかに仕事に支障をきたしているので「クレーム婦人」の電話番号からの着信は、余裕がないかぎり受けないようにしていたのですが…。
向こうもそれを察知したのか、違う電話番号でアプローチをかけてきたのです。長電話を終えて、やつれた顔で「まんまとやられたよ…」と話していたホール責任者の顔は今でも覚えております。
「こんな地獄の日々がいつまで続くのだろう…」。そんな絶望的なことを考えていたある日、信じられない光景が私に飛び込んできました。