パチンコ新台で快勝も満足できず!?【濱マモルののほほんコラムVol.116~射幸心に比例する興奮度~】

 羽根のない羽根物。そんなとんちみたいなキャッチフレーズのパチンコが登場した。

 豊丸産業の『PAウイニングボール』は、まず飛び込み口を狙って玉が回転盤のストライクゾーンを通過できれば第1関門突破。その後、シーソー役物で右側に振り分けられればスタートチャッカーへ入賞し、ルーレットが「ホームラン」に停止すれば大当たりが発動する。

 この大当り確率は設定1が4.85分の1で、設定6は4.10分の1。大当り後は右打ちでスピーディに消化でき、2ラウンド×2カウント×9回ワンセットで306個の払い出しを得られる。

 要するに、『PAウイニングボール』は羽根物のように当たりやすい役物搭載機。玉の動きに一喜一憂する役物好き、且つ毎日のように酒を片手にヤジりながらTV観戦する野球ファンとしては見逃せないマシンなわけで、早速インターネットを駆使して設置店を検索、すぐさま車を走らせて打ちに行った次第である。

 よく見ると、というか、よく見なくても本機の役物は同社の名機にして激アマスペックで有名な『CR今日もカツ丼』のそれと同じである。

『CR餃子の王将』シリーズに続く「食べ物機」だという『CR今日もカツ丼』は、件の役物を突破できれば4,328個の出玉が見込める。それだけに、飛び込み口にはなかなか玉が入らなかったものだが、『PAウイニングボール』に関しては、アタシが打った台でも千円あたり17回と玉は頻繁に吸い込まれていく。

 それ故、幾度となく役物のドキドキ感を味わえる。こりゃあ間違いなく最高のマシンじゃないか………と当初は思ったのだが、1時間ほど遊技すると、徐々に気持ちはモヤモヤ。決して飽きたというわけではないのだが、玉の動きにまるで反応しなくなった自分がいたのである。

 人間とは卑しいもので、興奮度合いは射幸心に比例する。簡単に言えば、対価が大きければ大きいほど燃えるわけで、役物突破後に発生するチープなルーレット演出は悪くないし、306個の払い出し後に始まる「9回裏二死満塁一打逆転サヨナラチャンス」の3球勝負もナイスアイデアだし、実際、それで最高4連して1,000個ほどの出玉を獲得できたのだが、どうにもアツくなれないのである。

 結局、アタシが役物搭載機に求めているのは、ようやく入った役物内での玉の動きを天運に任せるヒリヒリ感。勝つには勝ったものの、その反動か、伸るか反るかの『パチスロ鉄拳4デビルVer.』なんぞに手を出して財布の中身を空っぽにしてしまったのだから、きっと、そういうことなのであろう。

(文=濱マモル)

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