パチンコ初代『牙狼』の弱点を解消した1種2種混合マシン!? デジタル＆役物を楽しめる孤高のカリスマ!!
2004年より前か後か。パチンコの歴史を大胆に区切るなら、2004年以前は昔のパチンコ、2004年以降は今のパチンコとなる。
『海物語』の誕生を起点に前後を区切る向きもあろうが、のちにパチンコの有り様を大きく変えた2004年の規則改正はまさにエポックメイキングであり、現代パチンコのすべてがこの改革的規制緩和からはじまったといっても過言ではない。
その「04規則」のなかで最重要項目が「種別の撤廃」である。これまで1種・デジパチ、2種・羽根物、3種・権利物、4種・一般電役と仕組みによってそれぞれにルールを設けていた分類の垣根を外し、どのタイプでも同じ規則で運用することになったのである。
こうして1種2種混合機が生まれた。ただ、当初は主に2種機のなかに1種の要素を入れる形でこのタイプのパチンコ機は具現化された。つまり、「羽根物のデジタル直撃当り」や「羽根物の時短モード」である。
そんな1種2種混合機黎明期のなかで異彩を放ったのがサミーの『CRチョロQターボ』。デジタル抽選の一部で時短と役物抽選が同居する特殊モードに突入し、図柄が100回転するまでに役物当りするとこのモードが継続するシステムが搭載されていた。
■『CR牙狼』による一大ブームによって非常に簡素化された形が定着
このようなデジパチ（1種）を基本として役物当り（2種）を組み込む現代的な1種2種混合機が登場したが、直後すぐに発明された『CR牙狼』による一大ブームによって2種に相当する役物当りは当選＝V入賞という非常に簡素化された形が定着することとなった。
手の込んだギミックを用いた2種当りのゲーム性を持つ1種2種混合機はこうして舞台の端に追いやられたが、1台の名機が『CRチョロQターボ』が持っていた本来的な1種2種混合機の面白さを再認識させたのである。
『CRフィーバー涼宮ハルヒの憂鬱』。圧倒的な名声を誇るラノベアニメとのタイアップ機であることも人気の要因であったが、『チョロQターボ』と『牙狼』のゲーム性を融合させることによってクリティカルな面白さをファンに示すことができたのである。
図柄抽選と役物抽選を並行に並べ、通常時でも役物大当りが発生。1粒で2度美味しいこのシステム、『チョロQターボ』と『牙狼』の特徴を合わせたことに注目が集まるが、じつは両者のデメリットを解消していることのほうが大きいかもしれない。
『チョロQターボ』はシンプルとはいえ遊びごたえのある構造の役物を使用することで連チャンに時間がかかる。一方『牙狼』は2種というにはあっけなさすぎる仕組みで、役物大当りの醍醐味を感じることができないのである。
そこで直撃V演出として通常時に役物抽選を存分に味わうことができるように工夫し、連チャンでは小当り即V入賞の機構でスピード感を担保。これまで1種あるいは2種のどちらかに寄っていた混合機のゲーム性にハイブリッドタイプとして新たな可能性を提示することに成功したのである。
そして、人気を獲得したにもかかわらず後継機を登場させなかった点も特徴的で、契約上の制限なのか、特別なブランディングによるものなのかは定かでないが、これによって本機には唯一というある種のカリスマ性も備わっている。
（文=大森町男）
<著者プロフィール>
羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。
【注目記事】
■パチンコ新台「伝説の元祖モンスターマシン」が“天国機能”を搭載して蘇る!? 往年の名機最新作に熱視線‼【新台速報】
■パチンコ「転落確率1/888.3」のエンドレス級ループ！ 超連チャン特化マシンの後継機が遂にお披露目!!
■甘デジ「100％ST+時短」が多彩な連チャン性を創造！ 人気シリーズの新規則マシン第１弾!!