現代のパチンコに対する「アンチテーゼ」? 圧倒的なシェアを誇る“王者”には今後も期待!!
サムの日に打つ『大海物語5』。その行き着く先は…
3月6日は「サムの日」ということで『P大海物語5』とでもDO THE DANCEしてみようかホールに足を運んでみました。はい、SAM違いですね。
サムといえば、パチンコを打っている人間のなかで知らない者はいないほどの知名度であるにも関わらず、考えてみると私はサムのことを知っているようで全然知らないことに気づかされました。あいつ、何者やねん。
ちょっと調べてみたところ、年齢22歳、身長182センチ、体重77キロ。誕生日7月13日。サムの日って誕生日じゃないんかーい。三洋の公式ツイッター見たら『大海5』で勝って焼肉食べてました。よし、私も勝って焼肉だ。
それにしても『大海物語』は変わりませんね。『海物語』を正統に後継している、いわば『海』の本家。パチンコの伝統工芸といって差し支えないでしょう。ゲーム性がこれだけ多彩を極め、出玉性能やスペックは歴史上最高峰みたいな状況で、このブレなさは見事です。
丁寧に作り込まれた演出群を見てもわかるでしょう。シンプルだから適当に作っていると誤解されることも多いでしょうが、無駄を省いた単純なものだからこそ、質やセンスが問われるはず。
ぶっちゃけ、私は最近の通常時演出について、良い悪いというよりも、理解できないといったほうが正しいかもしれません。映像的に例えるならTikTokですね。価値観の範囲外で評価のしようがないといいますか。
少し前までは、単館系フランス映画といった雰囲気でしょうか。よく意味がわからないけど映像がリッチだったりスタイリッシュだったりみたいな。高尾のカオス系に代表される流れですね。
で、2000年前後は「ハリウッドの超大作」。多彩で豪華。発展、発展で期待値積み上げて役物ガシャーンのクライマックスを迎える。『CR天才バカボン』の系譜になります。
時代と世間に迎合しない姿勢には…
こういった比較において、じゃあ『海物語』は何かといえば、「男はつらいよ」なんですよ。国民的大衆映画とでも言いましょうか。誰もが安心して見ることができる、涙と笑いの人情劇。
時代劇の勧善懲悪みたいな「パターン」を用意しながら、洗練された脚本がベタさを飽きさせない。いわば古典。チーズケーキを日本に定着させた洋菓子研究家の今田美奈子先生は言いました「伝統は永遠の流行」であると。
もちろん、演出ばかりではありません。3000発出玉となる「BIG3000ボーナス」なんてちょっと洒落たものを搭載していますが、なんのことはない、中身は確変大当りの保留連。パチンコなんてこれでいい、という部分が少なからずありますし、時代と世間に迎合しないその姿勢には凛とした高貴さすらうかがえます。
また、あるいは現代のパチンコシーンに対するアンチテーゼを、圧倒的なシェアを誇る王者が行うという批判性の現れかもしれません。メインストリームが繰り出すカウンターカルチャー、まさに文化のクロスカウンターですね。
カウンターカルチャーといえば、イギリス。モッズとかサイケとかパンクとかロックとか。したがって、映像的なものとしてイギリス映画風な要素を『大海物語』に取り入れても面白いかもしれません。「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」みたいな。
いや、それ、ジェイソン・ステイ”サム”やがな!