パチンコ店最大手「マルハン」「ダイナム」最強タッグ結成!? しかし、業界の協力体制に「今更遅いのでは?」と冷ややかな声も……
警察庁が発表したギャンブル依存症対策となる出玉規制や遊技人口の減少など、さらなる衰退が囁かれるパチンコ業界。暗いニュースばかりが目立つが、決して明るい話題がないわけではない。
それはパチンコ大手チェーン店「マルハン」と「ダイナム」がなんと最強タッグを結成。2016年度売上高ランキング(パチンコ・パチスロ産業関連データ参照)で「1位」がマルハン、ダイナムはそれに次ぐ「2位」と業界を牽引する主力ホールだ。そんな強豪店舗が、初めてとなる合同企画イベントを開催すると話題となっている。
今回の合同企画では、労働環境の問題点を共有し、改善に向けた話し合いを行うことで、これまで以上に女性社員・スタッフが働きやすい職場環境を構築することを目的としたものだ。座談会では、女性の定着強化に向けた制度、教育プログラムなど、両社が実施してきたこれまでの取り組みをそれぞれ報告し合いながら情報共有を図った。
営業的には、ライバルである両社。参加者は「両社の成長を業界の活性化に繋げていければ」「今後も合同企画を実施して、業界に新しい風を吹き込んでいきたい」と業界の未来を見据えた協力的な姿勢を見せた。
実はこのような協力体制はパチンコホールに限った話ではない。なんとあの業界の二枚看板であるトップメーカーがすでに手を組んでいた。
それが、大手パチスロメーカー「ユニバーサルエンターテインメント(以下 ユニバーサル)」と「サミー」だ。以前は各自でファンイベントが行っていたが、2016年から「ユニバカ×サミフェス」と称し、ライバル同士のトップメーカーがタッグを組んだ。このイベントにはパチスロファン約17000人超がつめかけ、往年の名機やパチスログッズ販売、ホール未導入の新台に会場は熱気に包まれた。
また、両社は設計を統一させた遊技機やその部品を共同生産する合弁会社「株式会社ジーグ」を設立。業界衰退でメーカーの収益力が低下している昨今、共同開発で生き残りを図る目的だ。
共同でのイベント開催、合弁会社の設立。今では協力体制を敷いている両社だが、過去には”犬猿の仲”とも言える因縁があったのをご存知だろうか。
それは2005年、サミー社製のパチスロ「北斗の拳」が特許権2件を侵害しているとして、ユニバーサルが210億円の損害賠償を求めた裁判を起こしたことが原因だ。最終的には、最高裁にてユニバーサル側の上告が棄却され、サミーが勝訴。それ以降、両社の間には深い「溝」が出来てしまった過去がある。このような経緯を経て現在の体制に至っているわけだが「他にやるべきことがあるのでは?」という声もある。
「メーカーは、競合他社を出し抜く為に射幸性の高い機種を開発。他社もその影響を受け、競い合う形で『出玉性能』がエスカレート。それが原因で最終的には『出玉規制』という形で事態は収束。まずは『規制が入らないように』メーカー全体が協力・抑制すべきではないでしょうか。規制が行われれば、被害を受けるのは『メーカー自身』です。ユーザーからは『出玉規制の原因はあの機種なのでは?』などの指摘も多くなされますからね」(記者)
ホールやメーカーなど、次々と協力体制をみせるパチンコ業界。果たして業界衰退の歯止めになるだろうか。「射幸性を上げれば規制」というワンパターンな流れを幾度となく経験している現状、パチンコファンからは「もう手遅れ」という声もあるが……。
(文=編集部)