パチスロ「果てしなく続く」夢の集中役「ジャンボフルーツ」~2号機名機伝説「チャレンジマン」前編~【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.11】
2号機から新たに認められたボーナス以外の出玉増加装置「集中役」。
文字どおりこれは、小役やシングルボーナスが高確率になって「集中的に揃う」というもので、現代のATやARTのようなもの、と言えば若い方にもおわかりいただけるだろうか。
多くのマシンでは、前回ご紹介した『ウィンクル』のように継続ゲーム数が60G程度で180枚程度の獲得という、いわばBIGとREGの中間的な位置づけであった。
ところが、である。とあるメーカーは早々にこの集中役に秘められた無限の可能性に気づき、その限界に挑戦。2号機時代初期のシーンに一大センセーションを巻き起こす。
『ジャックポット』シリーズでお馴染みの岡崎産業。その前身となる尚球社は、まだ戦後の混乱期にあった昭和25年にパチンコ玉の製造メーカーとして大阪で創業した。
パチスロ業界参入は0号機時代初頭というのだから、社名は変わったが現存するメーカーとしては最古参の部類に入るだろう。実は、第6回で紹介した史上初のパチンコ型(箱型)スロット『パチスロパルサー』の製造をしたのも同社だ。
そんな業界屈指の老舗メーカーの2号機第1弾として昭和63年秋に登場したのが、『チャレンジマン』である。
分類上はBIGとREGを持つAタイプだが、冒頭からの話の流れで、それらがこのマシンにおける出玉獲得の主役ではないことは、容易にご想像いただけるだろう。
本機には、他の多くの2号機と同様にボーナス役に加えてフルーツ(小役の集中役)が搭載されており、プログラム上の継続ゲーム数は15Gと60Gの2パターンとされた。
が、これはあくまで建前上のものであって、実際のところはなんと、特定の条件をクリアすることによって、「BIGフラグが成立しない限り永久的に継続」してしまうのである。