「北斗の拳」すら「新基準」では苦戦中!? 暗雲漂うパチスロ新時代を救うのは?現役関係者がコメント
2016年8月1日より、純増2枚を超えるAT機の導入が完全に禁止となったパチスロ業界。「万枚の達成は不可能」ともいわざるを得ない「新時代」は確実に迫っている。その上で重要になるのは「新基準機に対する反応」であるが……。
率直な感想は「苦戦を強いられている」というもの。それはホールの稼働状況・ネットなどで公開されているユーザーのコメントを見ても明らかだ。
規制や時代の流れに対応しヒット作を生み出し続けてきた「北斗の拳シリーズ」の新台。最も期待されていた『北斗の拳 修羅の国篇』でさえも苦戦している状況は、パチスロ業界にとって避けたかった事態であろう。
果たしてパチスロ業界が向かう「新時代」を当事者たちは、どのように考えているのだろうか?
今回はパチンコ業界一筋のベテラン店長、地域密着営業を目標に掲げる『石川 保(仮名)氏』に話をうかがった。
–純増約2.0枚のART機が苦戦することは予想していましたが、過去にヒット作を出している人気シリーズも厳しい状況ですよね?
石川氏:出玉の期待度を失った影響は大きいですね。その点は覚悟していました。しかし人気機種であれば、それなりの稼働率は見込めると期待していたのも事実です。その中でも『修羅の国篇』への期待は、どの店も高かったはずですよ。
–北斗シリーズの「良いとこ取り」とまで言われていましたからね。そこへ「番長シリーズ」の演出システムまで貪欲に取り入れた『修羅の国篇』は、パチスロのゲーム性における集大成とまで評価されていましたからね。
石川氏:新基準しかない状況(現在の5号機が完全にない状態)でリリースされたら、結果は違ったかもしれません。それほどに完成度が高い素晴らしい台だと思います。
–確かにそうかもしれませんね。では、今後のパチスロの扱い方について。石川さん的には、どのような考えをお持ちですか?
石川氏:新基準の扱いについて、何が正解か分からないというのが本音です。完全に撤去されてみないと分からないと思います。答えを出すのはあくまでもお客様ですからね。メーカー側が何らかの策を講じ状況が変わる可能性もありますが、現状私たちパチンコ店にできることは、決められた規制の中での「心を込めた接客」しかないのではないでしょうか。「来てよかった」「また遊びにきたい」と思って頂ける環境を作ることを心がけていきたいですね。
-以上が『石川氏』にうかがった話である。
インタビューの際、『石川氏』は「好きな店員に会う為に来てくださっているお客様がいる」と語っていた。確かにパチンコ・スロットの本質が「遊戯」である以上、パチンコホールは娯楽の場であることが理想なのだろう。
石川氏が理想に掲げるホールが増えれば、パチンコ関連業界は「ギャンブルとは一線を画した娯楽」という、本来の姿を取り戻すことも可能かもしれない。