パチスロ「爆裂裏モノ」時代とは異なる景色に寂しさも!?【濱マモルの のほほんコラムVol.93~見た目と出玉性能~】
春になると、テントウムシをよく見かける。
7歳になる娘は、基本的に昆虫が苦手ながらも、テントウムシは好きな様子。「可愛いねぇ」なんて言いながら手のひらに乗せて喜んでいるが、実のところてんとう虫は、最強とも評されるほどの特殊な性質を持つことでも知られている。
てんとう虫は、アブラムシなどを食べる肉食性。一方、他の肉食昆虫や鳥などを天敵とするが、テントウムシは強い物理刺激を受けると死んだふりをするほか、関節部から体液を分泌するのである。
この体液がとにかく臭くて苦いらしく、それ故、天敵たちからはあまり捕食されないとのこと。毒ガエルと同じように、鮮やかな体色は不味さを知らせる警戒色でもあるわけだ。
思えば爆裂裏モノが流行った時代、過激なマシンは得てして見た目も怪しさに溢れていた。『ミスターマジック』に『ペガサス412』、『リノ』に『ドリームセブンJr.』、『アポロン』に『トライアンフ』などなど。『グレートハンター』なんぞは名前からして連チャンしなきゃウソであり、パチスロ初心者には簡単に近付けない雰囲気が漂っていた。
我が地元の神奈川県は東の聖地と呼ばれるほどの裏モノ大国だったこともあり、経験を重ねるうちにプレイヤーたちは自然とノーマルor裏モノを嗅ぎ分ける嗅覚が発達。時には、いかにもな見た目ながらもどノーマルで入れ替え初日にパネルが蹴り割られた…なんてこともあったが、まぁほぼほぼ裏モノはひと目でそれと分かる外見だった。
だが、今はどうだろう。すっかり萌えに浸食されたパチスロは、どれも見た目がポップ。中にはタイアップの世界観でおどろおどろしいものもあるが、基本的にはライトユーザーでも着席しやすい雰囲気であり、見た目と出玉性能はリンクしていない。
もちろん、それがいいとか悪いとか言っているわけではない。まぁ正直なところ、少しは寂しくもあるのだが、そんな中で個人的にはどストライクな見た目のマシンが登場した。ハナハナシリーズ20周年記念作の『スーパーハナハナ(-30)』である。
その見た目は、4号機時代の初代とほぼ同じ。出玉性能もストック機だった初代のゲーム性を疑似ボーナスで再現しており、スーハナモードへ移行すれば50%以上でボーナス連チャンがループする。
ハナハナマニアということもあってさっそく導入店へ出向いたところ、隣の台は待てど暮らせどスーハナモードへ上がらずに2千枚ほどの下降線をたどる一方、その隣は小気味良い連チャンを繰り返して昼過ぎの時点で3千枚オーバー。
見た目と出玉性能の完全リンクに喜びを爆発させたアタシは、当面、コイツと戯れることを決意したわけだが、人生とは世知辛いもので、そのハイテンションが空回りしたのか、我が台もちっともスーハナモードへ上がらずに大敗。ゴールデンウィーク中は、娘と近所の原っぱでテントウムシ採集でもしようかと思います。
(文=濱マモル)