パチンコ「稼働状況が大幅回復」するも…業界の先行きには厳しさが見え隠れ!?
パチンコを取り巻く状況はなかなか複雑
パチンコ業界に特化したマーケティングリサーチを行う「シーズリサーチ」が調査した「パチンコ景気動向指数(DI)」の調査方法によれば、3月期の業況は大幅に回復しているもの今後の見通しには厳しさが見え隠れするという。
稼働状況が回復したことにより収益や売上が一時期の下落から挽回。特にパチンコは前回と比較して大幅な回復が見られるなど復調の兆しも。その一方で、遊技機に対する資本投資気運は大幅に低下しているようだ。
たしかに、P機になって苛烈な出玉性能を誇る機種が続々と登場し、業界を盛り上げていることは間違いない。しかし、実際に新台が導入される際には各ホールとも台数はもちろん、機種の選別にはこれまでにないシビアさが垣間見える。
かつてのように猫も杓子も新台ならば導入するといったような動きは見られず、様子見しつつ人気が出てきた機種を増台するような傾向がうかがえるだろう。
これは、全般的業況の悪化理由について「来店者数の減少」が7割以上と圧倒的に高いことを理由の一端に、新台導入が来店契機に結びついていないことがあるのかもしれない。
店を畳むホールが続出
ファン減少はホール経営に甚大な影響を与える。全日遊連が発表した「組合員加盟店舗の実態調査」の最新結果では、2022年3月末時点の加盟パチンコホールの営業店舗数は7324店舗、前年同月比で700店舗以上少なくなっている。
1月末の旧基準機撤去によって店を畳んだホールは少なくないが、特に中小規模のホールは過酷な生き残り競争に挑まなくてはならない。
その一方で鹿児島県日置市に「鹿児島伊集院店」を新規オープンしたダイナムはグループ全体で434店舗となるなど、着実に勢力を拡大している。
DI調査の自由回答では「中小店舗ほど先行きが悪い」「大手しか勝たない」「弱肉強食傾向がさらに促進」など、二極化、業界再編成を懸念する声も。業界に再び活況をもたらすためには「面白いホール」の存在も不可欠なのではないだろうか。
ちなみに、その自由回答のなかには新型コロナやロシアのウクライナ侵攻に触れる内容もある。当然ながら社会情勢、世界情勢と経済は切っても切り離せないものであり、特に余暇産業・エンタメ業界は世の中次第で激変する。
藤商事は部材供給不足などにより通期連結業績予想を20億円の赤字に下方修正したように、世界的な半導体不足やロシアの軍事侵攻によりさまざまな物が供給不足、物価高騰の影響は計り知れない。
コロナや戦争といった不慮の事態も相まって先行きは不透明だが、明るいパチンコ・パチスロの未来を信じたい。
(文=木戸範孝)
<著者プロフィール>
Webメディアに掲載されるスポーツ関連記事の作成および編集業務を経験。その後はGJにて競馬やパチンコ・パチスロ、スポーツなどを担当している。現在はパチンコ・パチスロ分野に力を入れており、自身が好む爆裂タイプの動向に注目している。業界ニュースも担当。業界関係者への取材を元に、新台関連の記事も多く作成している。
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