パチンコ「最後の300円」で大逆転!! 窮地を救った「天使」は伝説上の……?
羽根物といえば桐生御三家。
そういうオールドファンは多い。羽根物をパチンコに置き換えても通じる話である。
古い羽根物(パチンコ台)を俎上に載せる場合、「SANKYOのあの台が」「平和の●●」「羽根物の名機といえば西陣の」といった内容であることが多くなる印象があるのだ。
私は特に贔屓としていたメーカーがない。いや、この言い方はひどく正確性を欠いている。私は当時、メーカーを意識してパチンコを打ったことがない。これが正しい表現となる。もうただただ羽根物が、パチンコが面白いから打っていたので、その周辺の知識を知りたいとも思わなかった。これは世にいう「データより思い出派」となる。
この私のような性向は、特に男という性別的特徴からしても珍しい部類ではないかと感じる。偏見かもしれないが、通常、男性は趣味や嗜好するものに対して、知識による理論武装を欠かさない。というよりも、それが好きなのである。
例えば「車が好き」となれば、メーカー、車種などは当然で、エンジンがどうこう、足回りがなんたら、排気量だ馬力だと、その車にまつわる様々な情報を完璧に取り込んでこそ語る資格があると思い込んでいる節すらある。
上記がデータ派なら、「あの車でどこそこに行って、あんなことがあって、何年も乗って、最終的にハンドルが抜けた」と語るのが思い出派で、愛着があって、長年愛好しているけど、車自体の知識はそれほどないといった類の寄り添い方なのである。
つまり、機種に関する細かい情報はあまり覚えていないが、シチュエーションは鮮明に記憶にあるパターンがそれなりに多い。イチローなみに予備動作が多くなったが、今回の題材となる『ダンシング金ちゃん』も、そういった機種のひとつである。
本機は役物が甘く、わりと早く大当りを引けた。その分出玉も平均500個ほどと少なく、新要件でも非常に遊べる部類であった。その「遊べる」部分での成功体験が、私の記憶に強固に印象づけられている。
その当時、私はチャリンコに乗って、駅でいえば3〜4駅ほどの距離を東西南北に移動しながら各所のパチンコ店を巡っていた。住まいの最寄りの店に入り、店内を物色。好きな機種や状況が良さそうな台を試し打つ。食いつきが悪かったり、状況が芳しくなければ店を移動する。
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