パチンコ理解不能な「迷機」!?「勝利の神様」に振り回される関係性……
これは、私の羽根物人生、いやパチンコ人生でも最大の謎である。
「喜び勇んで『オロチョンパ』を打ちに行った」
当時、パチンコは大好きだったものの、攻略誌などの情報にほとんど目を通すことがなかった。したがって、攻略、新機種、その他の情報などパチンコ業界の事情に疎く、というかほとんど関心がなく、ただ“いま”ホールに設置されているパチンコ台と向き合っていた、言い換えば、「この瞬間を生きている」「俺は現場主義」といったパチンコの取り組み方であった。クソだせぇ。
で、『オロチョンパ』である。ホールに貼ってあったポスターに書いてあったのだろうか、記憶がさだかではないのだが、「パチンコ初のタイアップ!」を謳う機種があるとの風のうわさを耳にし、なぜか私はひどく興味をそそられたのであった。
芸能人をモチーフにしたパチンコがある。このことがチェリーボーイであった私のミーハー心に火をつけたのであろうか。しかし、河内家菊水丸をまったく知らなかったのである。関西圏にいながら。それでも「打ってみたい」と私は渇望した。
河内家菊水丸を知り、テーマソングを知り、『オロチョンパ』を知った今、「ふるえるぞハート! 燃え尽きるほどヒート!」といったあの時の熱望は、まったく気が触れていたとしか思えないのである。
この時点でもうすでに『オロチョンパ』導入から驚くほどの時間が経っていたのだが、人気があったのかメーカーの力関係なのか、入れ替えるような機種がなかったのか、ぼちぼちホールに存在していた。
とはいえ、Pの世界を即座にリアルタイムで伝えてくれるパチンコ情報サイトなどないので、自分の足で情報を稼ぐしかなかった。自然、赴いたパチンコ店に『オロチョンパ』があれば、そこで打つというドラマチックな巡り合わせも何もない出会いとなる。
「なんか、よーしゃべる」
「当たったら民謡? みたいのが流れる」
羽根物としてはまあまあ面白かったが、打つ前の期待値の高さによるマインド・ザ・ギャップのせいか、初打ちの感想としては上の2つくらいをぼんやり思ったものである。