パチンコ「甘い仕様」でホールにそびえた名作! 伝統的なオーソドックススタイルの思い出!!【羽根物・名機列伝】
水木一郎アニキばりに叫ぶのである。「パイルダーオン!」と。
『はね物マジンガーZ』はその名の通り、超人気巨大ロボットアニメのタイアップマシンであり、役物にはそのロボットの造形が採用されている。
私は直撃世代ではないのだが、この時代のコンテンツは繰り返し再放送され、あらゆるジャンルのテレビ番組がわりと幅のある年齢層に影響を与えているのである。
もちろん私も本作に魅了され、「逆パイルダーオン」といっては友だちにカンチョーし合ったり、冬になれば「ロケットパンチ」と手袋を飛ばしてぶつけ合うしょうもない遊びに夢中になったものである。
もうひとつ、思い出に残っていることといえば、父方の実家になぜかヤッターワンとマジンガーZの超合金が置いてあり、明確な遊び場といえば廃校になった猫の額ほどの小学校でボール遊びしかない山奥における唯一の子どもの娯楽で死ぬほど遊び倒したことである。
しかし、3つ年上の兄はすでに思春期を迎え親とバカな弟と一緒に帰省することを嫌がって同伴せず、従兄弟は女だらけと遊び相手がいない私は、居合わせた叔父に向かって執拗にロケットパンチを繰り出していたらいい加減ブチ切れられ……。
両腕を田んぼに向かって投げ捨てられたのを機に、マジンガーZはガラクタのつまった黒電話の置き台の収納スペースにパイルダーオンされてしまった。代替品として折り紙でお手製のロケットパンチを制作してみたが、うまくいかずマジンガーZを救い出すことはできなかったのである。
ちなみに、後日、叔父と温泉に行った際、こっそり忍ばせていたそのお手製ロケットパンチで叔父に逆パイルダーオンを敢行する復讐を成し遂げたのである。まあ、リアルロケットパンチを頭に喰らい、半泣きで温泉に浸かる目にはあったのだが。
実際のマジンガーZにはしょっぱい思い出しかないが、『はね物マジンガーZ』とは蜜月の時を過ごした。この羽根物、役物が甘かったのである。クセの良い台なら1/5とか1/6とかの役物確率になるようなこともあった。
さらにラウンド振り分けが秀逸で、3・8・16Rの3種類の比率がおおまかに、1:1:2の割合となっていたのである。つまり、大当りの約半分は16Rが選択されるので、瞬発力がすごいのである。