パチンコ従来にはない「革命的」役物! 見た目のわりにはすこぶる正統派!!【羽根物・名機列伝】
そのギミックのメカニカルなフォルムが「やってくれそう」なのである。
西陣から登場した羽根物『キカイダーvsハカイダー』はその名の通り石ノ森章太郎原作の特撮テレビ番組のタイアップマシンである。特撮ヒーローと石ノ森章太郎といえば、言わずと知れた「仮面ライダー」の流れを汲むものであるが、その特異なルックスは子ども心に狂気を感じたものである。
こういったヒーローものを羽根物で扱う場合、たいていはその主人公を模した役物にするのが通例であろう。先の仮面ライダーしかり、ウルトラマンしかり。しかし、本機においてはタイトルに入っている2人のキャラクターは直接役物やゲーム性に関与しないフィギュアによって表現され、メインとなる役物は3つの回転体で構成されたものとなっている。名付けて「大車輪メカ」。
この「大車輪メカ」、アプローチする側によってV入賞のチャンスとなる真ん中の回転体「Vチャンスゾーン」への突入率が変化するようになっている。当代風にいえばノーマルルートとチャンスルートとなろう。
向かって左側からアプローチするパターンは「ハカイダールート」と呼ばれ、約6分の1で中央の「Vチャンスゾーン」へ送られる。一方の右側は「キカイダールート」で、約半分が「Vチャンスゾーン」行きとなる。ちなみに、「Vチャンスゾーン」のV入賞率は約3分の1である。
このように大車輪メカを右側から攻めるキカイダールートに乗れば大チャンスとなるが、ハカイダールートでもノーチャンスではないし、回転体の下にあるストッパーの動きによってキカイダールートへ移行する逆転パターンも存在する。
ただ、役物確率自体は辛めの印象もある。しかし、直撃大当りやチャッカー保留機能などがないので安定感があり、調整に比例して勝負が計算できる「堅い台」といった印象である。
前述の通り、役物は必ずしも甘くないので、私の住んでいた周辺ホールでは調整も緩やかで「遊べる」イメージがついていたが、少し遠出した先の見知らぬホールではなかなかに厳しい調整となっていたので「ぼったくり店」かと思いきや、自称事情通の友人に聞くとかなりの優良店だとか。
ならばたまたま行った日が回収日だとか巡り合わせが悪かったのだと、暇に任せて次の日も同じ店で『キカイダーvsハカイダー』を打ちに行ったら、やっぱり調整がよろしくない。不思議に思っていると運よく大当りしたのだが、そこで答えが見つかった。
この機種、実は3つもタイプがあり、この店はラウンド振り分けが10Rと16Rの2通りしかないタイプのマシンであった。通常は3or8or16Rなので、その分調整に影響を与えていたのである。
キカイダーの青は「正義の心」、赤は悪魔の心を象徴し、「不完全な良心」を表現しているとのこと。さしずめ、この10or16R搭載の「CRキカイダーVSハカイダーRSW」は悪魔の心を表しているのであろう。この日は〇の毛まで抜かれたのである。
(文=大森町男)
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