パチンコ店が「大赤字」を覚悟する日!? 「お祭り騒ぎ」の裏側では苦悩が一杯…
ひたすらに台を取り付ける毎日が始まりました。女性スタッフには力仕事を任せられないので、系列店舗の男性スタッフが応援に駆けつけてくれたのですが、それでも大変な作業には変わりません。中には腰を傷めて戦線離脱するスタッフもいたのでした。
私は台の設置を指揮するリーダーだったので、辛い気持ちを堪えながら作業をしておりました。それこそ、設置に苦労する重い台の大半は私が受け持っていたのですが…。
力仕事のやりすぎで腕に力が入らなくなり、持ち上げた台を支えきれずに落としてしまったのです。
落としてしまった台は「ドーン」という音をホールに鳴り響かせました。異変に気付いたスタッフが「大丈夫か!」と駆け寄ってきましたが、私自身にケガがなかったのは不幸中の幸いでした。
ただ、問題なのは落とした遊技台です。もし壊れてしまっていたら、グランドオープンで稼働させることができない事態になってしまいます。私は「頼む正常に動いてくれ!」と神に祈りながら動作チェックを行いました。
結果的に台は正常に動作して、外部的な損傷もなく事なきを得ました。その後は設置作業も順調に進み「グランドオープン」1週間前には、全台が直ぐに稼働できる状態へ持っていく事ができたのです。
【大赤字すぎたグランドオープン当日!?】
激動の1か月が過ぎ、遂にグランドオープンを迎えました。このコロナ禍では考えられないでしょうが、開店3時間前の時点で既に外には200名を超えるお客様が待機していたのでした。私は抽選時間までお客様の整理をしていたのです。
開店2時間前ともなるとお客様の数は1000名を超え、店の敷地内ではこれ以上の整列は不可能となる事態になりました。近隣住民の迷惑となる可能性を考慮して、抽選参加を1200名で打ち切りとしたのです。
生まれて初めて体験したグランドオープン。正直これだけのお客様を整理、抽選した事はないので頭の中が真っ白になってしまいました。しかし「こんな大勢をどうまとめればいいのか」と悩んでも開店時間は待ってくれません。
1時間で1200名の抽選を行わなくてはならない状況でしたが、約10名ものスタッフが連携する事によってギリギリ開店時間に間に合う事ができたのです。外にいたスタッフは、開店した時点で既にフラフラだったのは言うまでもございません。