パチンコ業界に「提案」!?「出玉・連チャン特化」もいいけれど…「手安く楽しみたい」という安定を求める声も!!

　ちょいパチを打っています。『ちょいパチ ヤッターマン39』。大当り確率が1/39.9のV確ループマシンで、ヘソ抽選時は30％の確変突入率が電サポ中は60％と倍にアップ。通常大当り後は10回転の時短も付与。さらに、右打ち中の大当りの20％が15ラウンド（約525個）と出玉感もあるスペックとなっています。

　ヘソの賞球が5個もあり、玉持ちの良さが甘い確率をさらに遊びやすくしてくれるうえに、「スタート＋」と呼ばれる回転率補助機能も搭載され、娯楽性の極めて高いマシンでもあります。

　ところで、最近のパチンコは面白いですね。P機になって心配されていたスペック性能が、いまとはってはここ十何年でもとびっきりの戦闘力で大きな連チャンと大量の出玉を打ち手にもたらせてくれます。

　しかも、確変ループ、ST、小当りRUSH、1種2種混合機、権利物、役物機と多種多様なゲーム性の機種を楽しめ、あるいは『アイドルマスターミリオンライブ』や『緋弾のアリア～緋弾覚醒～』といった既存にはなかった新しいアイデアのスペックを打つことができるのです。

　パチンコとファンはこの世の春を謳歌し、幸せの真っ只中にいます。

　これはまぎれもない事実であり、間違いのない現実ですが、その一方で遊びやすいとされる甘デジでさえ突破型による出玉・連チャン特化のマシンが主流となり、まとまった出玉を稼げるための実質的な大当りはライトミドル、ミドルタイプに迫るようなものとなっています。

　これはあくまで個人的な感想ですが、パチンコは庶民の娯楽としての機能をすっかり失ってしまっていて、誰もが気楽に参加できる大衆の遊びではなくなっている気がします。なんせ遊びやすくないんですから。

　話を戻しますが、1番新しいちょいパチが出たのが2020年の1月。もう1年以上リリースされていないんです。遊べるパチンコの代名詞「羽根物」がゴトやなんやで作りづらいのは理解しますが、それならそれでこのちょいパチのような本当の意味で遊べる機種を用意してほしいですよね。

　精神削って見返りを求めるのもパチンコなら、出ては呑まれを繰り返して下皿をモミモミしながら日がな一日のんびりとひとつの台にタコ粘りするのもパチンコです。そういうのもありつつこういうのも担保する。この懐と幅の広さがパチンコの魅力なのです。

　単純に甘デジの下位互換として作るだけなのが厳しいなら、テスト販売やアンテナショップ的に、新規の機能やスペックの試し場所として活用するのはどうでしょうか。

　先の『アイドルマスターミリオンライブ』や特殊な小当りRUSHのゲーム性を搭載した『甲鉄城のカバネリ』のような体験したら面白さを理解できるスペックも、ミドルタイプの重厚さを思うとそう何度も挑戦できるものでもありません。

　とはいえ1回や2回軽く打って、連チャンモードに入らないから面白くないとその魅力に気づいてもらえない台も多々あるでしょう。そういった機種の試験的運用をちょいパチで行うのもいいんじゃないでしょうか。

　とにかく、出玉と連チャンのためなら糸目を付けない豪胆なパチンカーばかりではなく、私のようなせっかくなら手安く最大限楽しみたいという安定を求める打ち手もいます。

　というか、1パチ5スロが象徴するように、後者のファンのほうが社会情勢的なこともあり、増えているのではないかと思いますので、まあそのあたりのバランスをですね、少しくらい気にしてもバチは当らないんじゃないかと。

　端的にいえば負けすぎてパチンコ打てる金がねえんだよ、ばかやろー！

（文=大森町男）

<著者プロフィール>

　羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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