パチンコ「ループ率94%」の破壊力!「アノ興奮」を生み出す転落抽選マシンは「考える楽しみ」も与える!!

 まったくどういった思考回路を持っていれば「そういった発想」ができるのだろうか。新しい仕組みやアイデアを載せた機種が登場するたびに感嘆の念を禁じえない。「転落抽選」もそう感じた連チャンシステムである。

 転落抽選マシンがはじめて登場したのは2004年の規則改定時。直接的には関係ないが、この時期はさまざまなアイデアのマシンが生み出され、転落抽選もそのひとつとして市場に投入された。その機種は『CRウッディー・ウッドペッカーDD』。マルホン産である。

 注目度のそれほど高くないメーカーゆえか、失敗が多いとされる海外版権ゆえか、単純にMAX・ハイミドル・ミドル・ライトミドル・3回セット・ST・マシンガンタイプと7種類もの兄弟機によって印象が薄れたせいか、とにかく転落抽選はそれほど話題にはならず、それ以降もなかなか採用されない埋もれたスペックとなっていた。

 そんななかで2010年代中盤、転落抽選に目をつけたメーカーが出てきた。ニューギンである。『009』や大看板の『慶次』にも導入するほど活用していたが、その走りともいえる機種が『CRバスタード!!‐暗黒の破壊神‐』ではないだろうか。

 大当り確率が1/159.84とライトミドルながら約94%という圧倒的なループ性能によって爆発的な連チャンを生み出せるスペックとなっている。

 基本的なゲーム性はいまの転落抽選マシンと同じで、大当りすれば必ず確変に突入する。また、100回転の規定回数まで確変が継続されていた場合はその後、転落するまで電サポが継続、とおなじみのシステムである。

 ただ、この連チャンモードとなるRUSHの前段階で従来とは変化がつけられた「本機ならではのゲーム性」が組み込まれている。

 それが「チャレンジタイム(CT)」と呼ばれる電サポゾーンで、初当りで最大出玉なる12ラウンド以外の大当りだと移行し、電サポが8~24回と小刻みに振り分けられたなかでの右打ち消化となるのである。

 ここで大当りできれば電サポ最低100回保証で継続率が約94%のRUSHに昇格するが、スルーすれば通常モードに戻ってしまう。ただ、先にも触れたように確変突入率が100%なのでCTでの電サポが終了しても転落していなければ確変状態、つまり潜確の可能性もある。

 とはいえ、確変か転落しているのかは見た目から判断できないので、CT終了後もある程度は様子見の立ち回りが必要となる。しかし、転落確率は1/394.8で、計算上は100回転消化でも潜確期待度が50%以上、200回転でようやく10%ほどに落ち着くと難しい判断を迫られたりする。

 これもまた本機の醍醐味であり、いろいろ考えながら立ち回れる面白さがある。基本的に思考を必要としないパチンコは、それはそれで気楽に遊べる良さもあるが、さまざまに妄想しながら打つパチンコもまた楽しいものである。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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