パチンコ史に残る「超名機」には兄が存在した!? その運命はあまりにも対照的…

名作『ゼロタイガー』にはよく似た兄が存在した!?

 2年くらい前に、平和の羽根モノ『ゼロタイガー』を取り上げさせていただきました。いわずと知れたパチンコ史上初の羽根モノですね。パチンコ史にその名を残す歴史的名機ですが、現在の若い業界人に全く知らないといわれても不思議ではありません。何せ40年以上も前の遊技機ですから。

 しかし、このゼロタイガーには前身となる兄弟機のようなパチンコ機が存在したことは、あまり知られておりません。何故なら見た目こそよく似ておりますが、その運命はあまりにも対照的だったからです。

 その前身機となるパチンコ機の名前は『ゼロ戦』(1981年)。盤面にはゼロタイガーならぬZEROFIGHTERと書かれており、盤面中央にはゼロタイガーと同じプロペラ式戦闘機の役物が搭載されています。

 その異彩を放つ風貌は当時のパチンカー達の注目を引くには十分すぎたといえますが、その心を満たすまでには至らなかったようで…。何故ならゼロ戦は特別電役機(特電機)というタイプで、盤面下部チューリップ上のセンサーを通過すると役物の羽根が開く仕組みだったのです。

 中央以外のセンサー通過で左か右の羽根が6回開閉し、中央センサー通過時は大チャンスで羽根が8秒間開きっ放しに。この連動で地味に出玉を稼ぐ遊技機だったのですが、その遊技性自体はそれまでの特電機と大きな違いはなかったといいます。

 それこそ羽根に玉が乗るアクション自体は新鮮だったようでホールからの期待も大きかったようですが、期待に応えることはできず早々に姿を消すことになったのです。

羽根つき役物の楽しさを活かした「偉大な弟」

 しかし、ゼロ戦の開発者は諦めなかった。この羽根つき役物のダイナミックさや楽しさを活かし、その動きと出玉性能に特化して作られたパチンコ台こそが元祖羽根モノ『ゼロタイガー』だったのです。

 モチーフが戦闘機だけに、装備や武装の増強といえるでしょう。ゼロ戦ではチューリップだった3ヶ所が1チャッカーと2チャッカーに置き換えられ、現在の羽根モノの原型が見事に出来上がっています。

 アッという間に姿を消すことになってしまったゼロ戦とは対照的に、ゼロタイガーが大空へ羽ばたいていった台数は驚きの25万機。凄まじいの一言です。

 しかし、ゼロ戦が誕生していなければゼロタイガーが登場することもなかったのかもしれないのですから、ゼロ戦の失敗は決して無駄じゃなかったということでしょう。

 その後は空前の羽根モノブームが巻き起こり、昭和末期から平成初期にかけて羽根モノは時代を謳歌することに。ゼロ戦が兄でゼロタイガーが弟と思えば、それはあまりにも偉大過ぎる弟です。

『兄より優れた弟なぞ存在しねえ!』とは北斗の拳のジャギのセリフですが、意外と存在しますよね? 現在は陰の薄い羽根モノですが、再び羽根モノ界隈に偉大なる弟が現れんことを少しだけ期待しながら今回はこの辺で。

電撃しらっち

業界歴30年。遊技機販売業など様々な業種を経験し、現在はライターとしての活動にも力を入れている。レトロパチンコ・パチスロの実戦記事や業界関係者への取材記事、羽根モノや一発台を特集するなどオールドファンにも響く内容も積極的に作成している。

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