「怪しいカメラ」を発見…1995年に撮影されたモノとは?【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第64話:写ルンです】
第64話 写ルンです
パチmax!読者の皆さま、新年あけましておめでとうございます。今年も週イチのペースでコラムをアップしますので、引き続きよろしくお願いいたします。
ところで、正月といえばやっぱり記念写真です。普段は滅多に会うことのない親族が一堂に会するような場合、記念として写真を残しておこうと考えるのが一般的で、その昔、お正月のテレビCMといえば「フジカラープリント」が風物詩でした。
「お正月を写そう! フジカラーで写そう!」
私と同世代なら、そんなキャッチフレーズを覚えている方も多いと思います。樹木希林さんと岸本加世子さんの掛け合いトークも有名ですね。
「フジカラープリントでしたら、美しい方はより美しく、そうでない方は…それなりに写ります」
なかなか洒落っ気のある面白いCMだったと思います。
ところで、何年も開けていなかった引き出しの奥から、すげぇ昔の「写ルンです」が出てきたら皆さんはどうしますか?
未使用ならば特に問題ありません。スマホが普及した現在は誰もが簡単に写真を撮影できますから、「写ルンです」なんていう使い捨てカメラ(正確にはレンズ付きフィルム)は無用の長物につき、そのままゴミ箱にポイすればいいだけの話です。
しかし、本体がすでに開封済みで、尚且つ何枚かシャッターを切った痕跡がある場合、何が写っているか気にならない人は居ないでしょう。
…でね、実際に仕事部屋の納戸の奥にあった段ボールの中から、怪しい「写ルンです」が出てきたんですよ。ああそうだ。先にお断りしておきますが、これは最近の話じゃありません。今から約3年半前の2020年の6月、世間がコロナ禍の渦中にあった頃、納戸の整理をしていて出てきた代物です。
もちろん、私も最初はゴミ箱にポイしようと思いましたよ。だけど、5枚ほどシャッターが切られているため、何を撮影したのか、何が写っているのか、すげぇ気になるじゃないですか。
それで、ガイドのマルチタレント・ホール&大津くん(編集・ライティングからカメラマンまで何でもこなすスーパープレイヤー)に、「撮影から23年以上が経過している使い捨てカメラは生きていると思いますか?」と尋ねてみたんですが、回答は「フィルムが剥き出しで空気にさらされていますので、現像するだけ無駄だと思いますよ」というものでした。
うーん、やっぱりそうか。いや、私もそんな気はしてたんですけどね。だけど、万が一ということもあります。そんなわけで、近くのイオンモールに入っている「カメラのキタムラ」に持ち込んで現像を依頼してみました。
店員さんからも「何も写っていない可能性もありますよ」と念押しされましたが、気分的にスッキリすればそれでいいし、ダメモトであまり期待してなかったんですけどね。
驚くことに、わりと鮮明に写ってました!
全5枚シャッターを切っている内、残り2枚は判別不能でした。被写体が全てパチンコ関連というのが、いかにも私らしいといえば私らしいですね。日記の日付から逆算して調べたところ、これらの写真はいずれも1995年10月2日に撮影したものと判明しました。
なぜ写真を撮ったのか…は、残念ながら不明です。もしかすると、少しずつ姿を消していく町のパチンコ屋さんを写真に残しておこうと考えたのかも知れませんね。まぁ、私はレトロホール愛好家の栄華さん(パチンコ必勝ガイドの女性ライター)ほど根性はないため、早々に断念した可能性が高いです。
ちなみに、要した費用はフィルムの現像代金とCD-R化で締めて1,210円也。それなりに値が張りましたが、気分的にスッキリしたからまぁいいか…。キタムラの店員さん(技術屋さんっぽい男性)の話によると、写ルンですは冷暗所に保管しているかぎりダメになることはないそうです。私の場合、たまたま納戸の奥の段ボールに密閉状態だったのが幸いしたんでしょうね、ええ。
それにしても、「写ルンです」って優秀なんだなぁ…というお話でした。