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ガイドとしては「絶対に負けられない」データ取り…【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第59話:設定1&フル攻略実戦】

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第59話 設定1&フル攻略実戦

 5号機時代の中期に始動したアクロスの「A-project(Aプロジェクト)」以降、セールスポイントに「目押しを完璧にこなせば設定1でも機械割がプラスになる」という長所を掲げる機種がポツリポツリと登場するようになりました。Aプロジェクト機の第1弾「クランキーコレクション」がリリースされたのが2013年ですから、10年が経過した今もなお同ジャンルのボーナスタイプには一定の需要があるということになります。

 ちなみに、歴代Aプロジェクト機における設定1の機械割は以下の通り(数値は全て「パチスロ必勝ガイド」の掲載値)。

①クランキーコレクション 100.5%
②B-MAX 101.5%
③ハナビ 98.0%
④サンダーVリボルト 99.1%
⑤ゲッターマウス 100.2%
⑥バーサス 100.5%
⑦クランキーセレブレーション 101.1%
⑧タロットエンペラー 99.7%
⑨アレックス 100.2%
⑩ハナビ通 100.5%
⑪ドンちゃん2 99.2%
⑫サンダーVライトニング 99.5%
⑬新ハナビ 102.0%
⑭CCエンジェル 99.1%
⑮バーサスリヴァイズ 102.0%
⑯ニューゲッターマウス 100.2%
⑰クランキークレスト 100.5%

 現時点におけるAプロジェクト機は、来る12月4日に設置開始予定の「クランキークレスト」を含めて計17機種。一部に機械割が100%に満たない機種も含まれてますが、それらは算出条件が「市場値」となっている可能性もあり、「フル攻略」の条件下であれば限りなく100%に近づく、または100%を超えるものと思われます。まぁ、いずれにせよAプロジェクト機は「キッチリと打てば極めて負けにくい機種」だということですね、ええ。

 それっておかしいよ。だって、俺はビタ押しが完璧なのに負けてるんだから…な~んてコトを言いたい人もおられると思います。ただね、フル攻略には「全ての小役&ボーナスを内部確率通りに引く」という極めて難易度の高い条件が含まれるのよ。だから、「フル攻略なら負けない」というのは、あくまで「理論上」のお話。現実には上ブレや下ブレが頻繁に発生するため、ヒキに恵まれないと大負けすることも特にめずらしくないんです。

 もちろん、裏を返せば設定1で大勝ちすることだってあります。とりわけ、荒波の代名詞でもあった4号機時代の大量獲得タイプでは、「設定1が一見すると高設定にしか見えない挙動を取る」ことが日常茶飯事でした。今回はそんな昔語りをお届けしましょう。

 以下、本編。

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 時は平成12年(西暦2000年)の1月。この頃は4号機の大量獲得タイプ全盛期で、中でも圧倒的な人気を誇っていたのがアルゼ(現・ユニバーサル)の『大ハナビ』でした。

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アルゼの大量獲得タイプ『大ハナビ』。通常時にDDT打法(小役目押し)を駆使して小役の取りこぼしを一掃し、ビッグ中のリプレイハズシを完璧にこなせば、設定1の機械割はゆうに100%を超えた。設定1のビッグ確率は非常に低いが(約431分の1)、リプレイハズシを実践すればMAX711枚の獲得も可能だった。リプレイハズシ手順には初・中級者向けの「3連ドンちゃんハズシ」と、上級者向けの「ビタ押しハズシ」があり、前者はアバウトな目押しでも平均580枚(実戦値)を獲得。後者は目押し難易度が高いものの、平均605.7枚(理論値)を獲得できた。また、筐体上部の鉢巻リールは主に小役ナビの役割を担い、バックライトフラッシュとの絡みで激アツのゲーム性を演出した。(写真は「パチスロ大図鑑1964〜2000/ガイドワークス刊」より)

 実はこの大ハナビも、例によって目押しが完璧ならたとえ設定1でも機械割がプラスになる、プロ御用達のマシンでしてね。当時のユニバ系マシンには、クランキーコンドルを始祖とする技術介入機が多数を占めていましたが、大ハナビはその路線を大量獲得タイプで実現した功績により不動の人気を得たわけです。いやはや、本当に凄い機種でした。

 でもって、当時のガイドスタッフはみんな若くて元気でね。「目押しが完璧ならたとえ設定1でも~」という机上の理論が本当かどうか、実戦で確かめてみよう…って企画が立ち上がったんですよ。

 具体的に説明すると、協力店に設定1の大ハナビを計3台用意していただき、目押し自慢のスタッフが延べ3日間、フル攻略で大ハナビを実戦して、本当にプラスになるかどうか検証することになったんです。

 もちろん、たった9本の実戦データで理論の裏付けを取れるとは考えちゃいません。それでも、トータルでプラスになれば記事のネタになるわけで、実戦至上主義を掲げていたガイドとしては絶対に負けられないデータ取りだったんです。

 実戦人に指名されたのは、大ハナビの担当ライターである私・広石と、目押しの達人であるタケちゃん(中武一日二膳さん)、それからポロリプロの3人です。正直、設定1とわかった大ハナビを丸3日間も打ち切るのは苦行だったんですが、若いということは本当に素晴らしい。みんな気力を振り絞って実戦に臨みました。嗚呼、まさに滅私奉公!

 設定1実戦に協力してくださったのは、笹塚にあった某パチスロ専門店です。もっとも、設定1の大ハナビが計3台、丸3日間のフル稼働が確定するわけですから、店側としては願ったりの申し出だったと思います。

 しかも、頁内ではお店紹介のカコミ記事が掲載されるため、無償でガイドに広告を出しているようなもの。店公認でデータ取りを行いたいガイドと完全に利害が一致しました。

 でもまぁ、お店側に台を用意して頂くことに、抵抗が無くもありません。ようするに、今で言う「指定台」というやつですね。そこで、朝イチはカドから3台並んで設定1を入れて頂いた上で台の電源を落とし(間違って一般客が座らないように)、台上に「設定1で実戦中」のプレートを設置して、一般入場の最後尾から入場することにしました。これくらい配慮すればクレームも来ないでしょ!

 ただね、こういうパフォーマンス実戦では背中にギャラリーが張り付くのよ。背中といっても遠巻きですが、見られていると思うとビタ押しハズシの緊張感が数倍になるから困りもの。しかも、台パネルに映り込んでギャラリーの姿がはっきり見えます。それでもノーミスで乗り切ったタケちゃんは大勝ちし、自分も初日はチョイ負けで済んで実にラッキー…と思ったんですけどね。

 事件が起きたのは2日目でした。台に食事札を入れて皆で昼食に行き、店に戻ると午前中に見事な俵積みを築いていたタケちゃんのドル箱が、何者かに崩されて棚一面にコインが散らばってます。いったい何が起こったんだい?

ガイドとしては「絶対に負けられない」データ取り…【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第59話:設定1&フル攻略実戦】の画像3「すみません、さっきウチの常連が中武さんのドル箱からコインを盗んで逃げましてね。すぐにとっ捕まえて出入り禁止にしました」

 申し訳なさそうに説明する店長さんが言うには、「俺は負けてるのにどうして雑誌の連中には出る台を打たせやがんだよ」と、取り押さえられた彼は大声でわめいたそうです。

 こういうケースでは、「あれは3台とも設定1なんだよ」と説明しても聞く耳を持つわけがありません。彼にとっては「雑誌のライターが店に用意して貰った台で出した」という事実があるだけで、「設定1を3日連続で打つ」という罰ゲームみたいな実戦企画だなんて知ったこっちゃないのです。

 冒頭でも少し説明した通り、パチスロの知識に浅いプレイヤーの中には、設定6を掴めば大勝ちして当たり前で、設定1を打つと確実に負けると思い込んでいる人が少なからず居ますけど、たとえ設定6だろうとヒキに恵まれなければ負けてしまうし、設定1でも確率が上ブレした場合は大勝ちすることだってあります。

 ちなみにこの3日間、私が打った大ハナビの設定1の実戦データは以下の通りです。いかんせん20年以上も前の感熱紙プリントにつき、退色して文字が読みにくくなっていますが、その点につきましては何とぞご勘弁を。

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初日の収支 マイナス3千円
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2日目の収支 プラス10万4千5百円
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3日目の収支 プラス6万3千5百円

 あらためて言うまでもなく、全てが設定1の実戦データです。しかしながら、これを「設定1」だと説明したところで、件の常連さんは素直に信じちゃくれないでしょうねぇ。

 結局、延べ9本を採取した設定1の実戦データは、トータルで見事にプラス収支を叩き出して面白い記事にはなったのだけど(主に実戦人のヒキ強が原因)、指定台の実戦についていろいろと考えさせられることの多い1日でした。

<当コラム内のテキスト、写メ、実戦データ等の無断転載は禁止です。>

ドラゴン広石

ドラゴン広石

ドラゴン広石(昭和38年12月生まれ)
平成7年に白夜書房「パチンコ必勝ガイド」編集部の門を叩き、パチスロの知識と経験、目押し力を買われて「パチスロ必勝ガイド」のライターに採用された。リアルタイムで「パチスロ0号機」を遊技した経験を持つ、唯一のパチスロライターである。令和4年現在でライター歴は27年。代表作に「枠上人生」、「浮草家計簿」(連載中)、「回胴絶景」(連載中)など。1日の最大勝ち額~プラス41万3千円(クラブロデオT)、1日の最大負け額~マイナス12万9千円(初代・北斗の拳)。

Twitter:@dragon_hiroishi

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