【パチンコ】ハズれる「全回転リーチ」を搭載!? 個性的な台枠も目立った「超名機」
今回は、パチンコ機のカテゴリーの中でデジパチでも権利モノでもない「一般電役タイプ」の名機中の名機を取り上げます。それは1996年発表『ナナシー』(豊丸産業)です。レトロ台が打てる「ゲームセンタータンポポ」に、2024年2月より設置されています。
同機は、現在でもシリーズ化されている同社のキラーコンテンツです。ちなみに1996年といえば、『CRモンスターハウス』(竹屋)や『CR大工の源さん』(三洋)などが発表。また同年は、のめり込め問題として業界団体が「社会的不適合機」として、主に連チャン機を対象に撤去を発表した時代でもありました。
同機を紹介する前に、一般電役のゲーム性を確認します。一般電役とはパチンコ機の分類のひとつです。大当りすると、電チューの連続開放によって出玉を増やしていくゲーム性です。大当り中でも、絵柄を回すことができます。確変や時短のゲーム性は搭載していませんが、大当り中に更なる大当りを狙うことも可能です。
基本的には、デジパチと権利モノが融合したような感じです。大当り確率:158分の1。画面上で絵柄が揃ったらすぐに右打ちをして、盤面右側にある電チューに球を5個以上入れると、ヘソ下の電チューとその下のアタッカーが連動して開く仕組みです。
右にある電チューのすぐ上にはスルー役モノがありますが、大当り中はここに球が通過することで絵柄が回転。さらに大当りすると、連チャンみたいな感覚を味わえます。同機は確変機でも時短機でなく、大当り確率はずっと変わりません。ヘソのスタートは権利モノと同じくスルー式ですので、減るスピードはデジパチよりも早く感じます。
同機は液晶機ですが、絵柄が上下2段になっていて、それぞれで同じ絵柄が揃って大当りです。セル盤面にも描かれていますが、赤と黄の7絵柄とドル柄($)とエン柄(\)で組み合わせが12通りでした。絵柄はコインをクルクル回すように回転し、スーパーリーチ発展時には絵柄に手足が出現する愛くるしいものです。
ハズれる「全回転的リーチ」を搭載!?
同機最大の激アツリーチは、「スペシャルファイヤーリーチ」です。これは「ほぼ全回転リーチ」です。全絵柄が炎に包まれ、同時に全回転します。全絵柄が揃って止まれば大当りですが…。
「ほぼ全回転リーチ」と書きましたが、このリーチの信頼度は約96 %なのです。全絵柄が止まろうとすると、まれに右下の1絵柄だけ1コマプラスで止まってハズレてしまうことがあるのです。
これはバグでもなく、元々全回転が確定ではないように作ったリーチなのです。筆者も現役で打っていた時に一度経験して、ハズレた時のショックが大きいものでした。
同機からちょっと離れますが、当時のその台枠が特徴的なモノでした。台枠の正式名称は不明ですが、通称「球(たま)もどき枠」なんていわれていました。セル盤面にも一部施されていましたが、上皿の手前やハンドルなどのデザインとして遊技球を思わせるモノが埋め込まれている感じでした。
〇〇しようとして「ガラスを割った」という噂も?
実際に遊技球が埋め込まれていないのですが、当時の逸話として打っていたお客さんの球が手元で少なくなってしまい、盤面に遭ったその球もどきを取ろうとしてガラスを割ったということがあったみたいです。
同機は、某パチンコ攻略雑誌の誌上パチプロがこよなく愛した主力機種でした。都内某店をネグラにして同機中心に稼動していましたが、同店の運用が良くない時には「シメシメルック」などという言葉で表現していました。
同誌では10年以上に渡って長期連載され、読者からの支持も高かったのですが、担当ライターが病気により逝去されています。その日が「7月4日」でしたが、語呂合わせで「ナナシー」と読めることから、メーカーの豊丸産業は、同氏が同機を好んでいたので「ナナシーの日」として記念日登録を正式に行なって認められました。
筆者も現役で設置されていた時に、何度も打ちました。この当時はCR機や現金時短機が徐々に増え、現金連チャン機が前記した不適合機撤去で減少していた時代でした。やはりCR機を打つには手元の予算が足りないので、現金機で大当り確率の高いスペックで同機を好んでいました。そしてコインをクルクル回す唯一無二の演出とキャラクターは、同社を象徴するモノとなったのです。
一時期にCRデジパチとしてもシリーズ化されましたが、数年経過して元々の一般電役タイプで復活して現在に至っています。やはりナナシーは一般電役タイプでないと「ナナシーらしさ」は表現されないものだと感じました。息の長いシリーズとして続いてくれることを願ってやみません。