【羽根モノ】21世紀突入直後に起こった「パチンコ大革命」そこで誕生した知られざるパチンコ名機
最近、「ちょっと前」の時間感覚がバグってきていまして。ちょっと前にあったアレを調べて見ると10年以上も前の話だったりします。この前も知人と昔ばなしに花を咲かせていたら、それがもう20年近い過去の内容で、それをつい最近起こったみたいなテンションで喋っていました。
パチンコ規制大緩和からもう20年
この感覚はパチンコに関するものでもそうで、「そういえばちょっと前にあんな機種あったな」と検索すると2000年前後のマシンだったりして、びっくりします。そういえば、21世紀のパチンコ大革命、2004年の規制大緩和からもう20年が経過しましたね。
大当りの下限が引き上げられたり、確変継続率を自由に設定できたりと大きく縛りがなくなり、これまでにないスペックやゲーム性のマシンが続々と登場しました。
この大緩和の恩恵を羽根物も享受できました。そもそもデジパチや羽根物・権利モノといった区分がなくなり、どのジャンルも統一された同じルールのもとで作ることができるようになったのです。
現代のパチンコでは当り前となっている1種2種混合機の誕生です。通常時をデジタル抽選で行い、右打ちは役物当り(二種)で展開するおなじみのゲーム性が2004年の規制緩和で生まれました。
この一種二種混合機を羽根物で作るとどうなるのか。時短モードを搭載し、連チャン性を加えることができるようになります。のちに『CR羽根ぱちんこウルトラセブン』や『CRぱちんこたぬ吉くん』などの爆裂マシンを生み出しますが、直後に出た羽根物の時短機能はそれほど高いものではなかったと思います。
大きめの電チューのような羽根が目を引く1台
たとえばエース電研の『デカチュー』。その名のとおり、大きめの電チューのような羽根が目を引く1台でしたが、大当り後20回転はスタートの電チュー開放がアップし、連続大当りを狙えるようなゲーム性でした。デジパチでいうST機のようなイメージですね。
役物は回転体で、ポケットが10個あり、そのうちのひとつがVゾーンになっています。つまり、見た目の役物確率は1/10。単純に20回の時短で1/10を当るというと連チャン率が87.8%とかになりますが、時短1回=羽根開放で、拾いの状況なので毎回役物抽選機会があるとは限りません。
とはいえ、その塩梅が絶妙で、連チャンするかしないかを最高のバランスで味わうことができるのです。調整やクセが良い台に当たればまあ楽しい。回転体役物も大好きですし、この機種のおかげで囁かれていた区分撤廃における羽根物へのネガティブな評価もある程度は覆りましたね。
否定的な意見というのは、要はデジタル要素が強くなって羽根物の良さが損なわれるとか、時短(出玉)性能を重視した爆裂機ばかりになるといったもの。よくある「羽根物は死ぬor殺される」的なやつです。
羽根物保守本流派閥においては、スタートチャッカー入賞時にデジタル抽選されて大当りする、いわゆる「直撃」機能すら、「そんなものは羽根物じゃない」と拒絶反応を示すファンも少なからず存在したほど。
だからこそ、羽根物の本来的な魅力を損なわずに新たなゲーム性から面白さを増幅させてくれた『デカチュー』は、大きな価値を示したエポックメイキングな機種だと思うのです。