パチスロ「名機誕生」に隠された意外な過去……『牙狼』『北斗の拳』にも搭載された出玉装置の原点 【パチンコ「はじめて物語編」】
これまで、アタッカーに始まり、ハンドル、液晶、電チューなどパチンコに搭載されている主な設備・装備について話を進めてきた。今回は、もう少し細かい「機能」について触れたい。
これは「機能」にくくってよいのか微妙だが、先の規則改正に伴い、パチンコに「設定」を搭載することが可能となった。
しかし、「確変」がテーマとなった本企画でも触れたように『CR大工の源さん』や『CR黄門ちゃま』など、かつても2回ループマシンと呼ばれた「設定付きパチンコ」は存在したのである。したがって、この時代に初めて設定が載せられたといえば、答えはNOとなる。
実は、1993年に始まった2回ループフィーバーの2年前に設定が設けられた機種が登場していた。それがミズホ(当時は瑞穂製作所)の『GIGA』である。この機種、正確には「パチンコ」ではない。
というのも、当時、パチンコメーカーの組合となる日本遊技機工業組合(通称、日工組)に加盟していなかったユニバーサルは、日工組が管理するパチンコの特許技術を使用することができなかったので、パチスロで培った技術やアイデアを元に、「パチコン」という新たなジャンルを独自で開発したのである。ちなみに、設定は6段階であった。
この「パチコン」はそれほど市場で支持されることがなかったが、『GIGA』の次機種『ジェネシス』はなんと「釘調整のいらないパチンコ」がコンセプトであった。完全に今の規則に対応している。時代が早すぎたのである。
時代といえば、昨今の流行りは「1種2種混合機」であろう。一大ブームとして市場を席巻しているこの機能。というよりは、だいぶ仕組み寄りだが、これも昔から存在したものである。1種2種混合機を一躍メジャーに押し上げたのは『CR牙狼XX』であるが、この元祖はいったいどの機種であろうか?
その答えについては2機種を挙げたい。というのも、1種=デジパチと2種=羽根物を組み合わせたという特性上、同じ混合機でも、どちらかの性質が強く反映されるような機械作りにならざるを得ない。つまり、デジパチ機能寄りか羽根物機能を押し出しているのか、である。
この意味において、前者を考えた場合はサミーの『CRチョロQターボ』がその候補となる。一方、羽根物視点でみると、大一(現在の表記はDaiichi)の『CRチビ太のここで一発』が該当しそうだ。どちらも2005年の11月と同時期に登場しているので、どちらが先だと明確にいえないことも2機種を挙げた要因である。
では、最近見直されてきた機能つながりでいうところの『小当りRUSH』はどうであろうか。