「革新的なパチスロ」を創造…遊びやすい「REG偏向」の右レバー機!!【名機列伝~ハイアップ編~】
パチスロメーカーのタイヨー。現在は業績不振により解散してしまったものの、かつては幾多の革新的なパチスロを創造した。
レバーを廃した「オールボタン式筐体」の3号機『トライアンフ』、「縦2」×「横3」の6コマ超変則8ライン4号機『エイトマン』。同じく4号機『ハローサンタ』ではハズレが規定回数に到達することでST解除を迎えるといった斬新なボーナスストック放出システムを確立し、『ハローサンタマシンガンバージョン』『ハローサンタトナカイバージョン』とシリーズ化した。
5号機時代は人気コンテンツをモチーフに据えた『パチスロ一騎当千』シリーズ、当たりやすさと爆発力を兼ね備えた『ハイサイ蝶特急』シリーズが有名。『コクッチーマスターズ』『コクッチーブラック』では各社の告知ランプを大胆にオマージュして、プレイヤーに驚きと笑いを提供した。
そんな同社初のパチスロは1号機『ハイアップ』。高いREG比率と浅い天井で、遊びやすいマシンとして人気を博した。
本機のボーナス抽選システムは「予定枚数を投入」することでボーナスが成立する「吸い込み方式」で、その予定枚数は設定と8種類あるモードを参照して決定。最大天井は設定1~5の「599枚」で、ボーナス当選時は約1対3の割合でビッグorREGに振り分けられる(設定6の最大天井は546枚)。
また、通常時は何らかのフラグが成立すると左リールが沈み込んで停止するといった特徴があり、これにより第1リールを停止した時点でボーナス成否の判別が可能であった。
左リールが沈み込んで停止→小役を取りこぼしていなければボーナス確定となるのだが、先に述べた通り、本機は吸い込み方式が故に、通常時は毎ゲーム「小役を取りこぼす」のがベスト。結果的に、当該ゲームの次ゲームは常にアツくなれるわけだ。
ビッグ中のボーナスIN絵柄はプラムと3種類のREG。いずれも引き込みが悪いことから目押しをしなければパンクの危険性があった一方、通常時は変則押しを駆使することでチェリーを強制的に揃えられた。この「チェリー抜き」と先の天井狙いは非常に効果的で、多くのプロのターゲットとされた。
チェリー抜き攻略法は1.5号機『ハイアップターボ』である程度改善されたが、このターボはビッグ終了時にホッパーエラーを起こして強制的に設定を変更するゴト手順が発覚。
ゴト師は「設定6」を自在に打てる反面、一般客はゴト師が打ち終えた後にやはり強制変更した「設定1」ばかりを打たされるハメになり、次第に客足は途絶えた。
なお当時のタイヨー製パチスロは、レバーが「左」ではなく「右」にある点も特筆要素のひとつ。この独特な右レバーは2号機『ガルーダ』、2-2号機『リスキーダック』、3-1号機『ミラクルユーフォ―』まで受け継がれた。