パチスロ「ベルの次ゲームが激アツ」!! ~2号機名機伝説「ウィンクル」編~【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.10】

 ウィンクルの独自性は、まだある。先述のインジケータランプ、通常時は左から右へ光が流れるように動くのだが、実はこれ、右リールの回転と同期していて、目押しアシスト機能の役割を持っていた。

 たとえば、左→中に7がテンパイしている場合だと、ランプの「4」が点灯するタイミングで右リールを押せば、BIGフラグが成立していれば777が揃う、といった寸法。

 当時、ビギナーで目押しもヘタだった自分は、このアシスト機能にずいぶんとお世話になったものである。まぁ、フルーツ継続中は機能しないので、難儀したが。

 さらに、あともうひとつの特徴として、「?」が揃うとシングルボーナスとなり、1回だけのJACゲームができるのだが、まれにJACがハズれることがある。その場合は、内部的にBR両ボーナスあるいはベルが成立しているサインとなるのだ。

「ちょっと待った。ベルって、小役でしょ? 小役だったら、取りこぼしたらフラグ消滅しちゃうんじゃないの?」

 …はい、いいところに気づきましたね。これもまたウィンクルの大きな特徴。フルーツの契機となるベルは、小役なのになんと、ボーナスと同様に入賞するまでフラグ保留されるのである。

 このベルのフラグ持ち越しや、先述のインジケータランプによるフルーツ告知や目押しアシストは、あくまでウィンクル(とベンハー)だけに見られるもの。以降の2号機では許可されることは、決してなかった。

 詳しい理由は定かではないが、おそらくは「遊技者の技術介入の妨げになる」とか、「射幸心を煽る」といったところか。規定が変わったばかりの最初期に持ち込まれたマシンなので、検査する方も慣れておらず、たまたま見過ごしパスさせてしまったのだろう。

 ともかくウィンクルは、2号機の新機能をすべて詰め込んだ、ある意味でもっとも2号機を象徴するマシンではないかと、登場から三十余年が経ったいまでも自分は強く思うのである。

2004年2月、栃木県のレトロホールにて。 ベルの次のゲームに訪れた至福の瞬間。

 

(文=アニマルかつみ)

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