「リプレイで万枚チャンス」の斬新パチスロ! AT最大3000Gの爆裂!!
過去に登場したパチンコ・パチスロ台の中から、個人的に思い入れのあるマシンをご紹介する本コラム。今回ピックアップする機種は、パチスロ4号機の爆裂AT時代を彩った名機でございます。
2000年代初頭。当時は凄まじい爆発力を秘めたAT機『獣王』や『サラリーマン金太郎』、『アラジン』といった怪物マシンがホールを出玉で満たしておりました。
振り返ってみるとサミー系のマシンが大活躍していた印象。どれも一撃万枚を狙えるような夢のあるマシンでしたが、私がこの頃に打っていたマシンはこれら名機ではありませんでした。
爆裂ATと聞いて思い出す私のフェイバリット機種…それは知る人ぞ知る隠れた名作『スペースバニー』です。
本機はBIG BONUSとREGULAR BONUSに加え、1Gあたり純増約3枚のAT「バニータイム」で出玉を増やしていくゲーム性。オーソドックスなAT機といった印象ですが、純増10枚クラスの先述したマシンと比べると物足りなさを感じる方もいたかもしれません。
しかし、本機には他機種にはない画期的システムが内蔵されていたのです。更には一撃万枚フラグも存在するなど、心から熱くなれるゲーム性で一部ファンから絶大な支持を得ておりました。
先に述べた画期的システムとは、純ハズレ当選時に突入する「バニールーレット」。ここでは1ゲーム消化する度に1マスずつ進んでいき、「BT」と書かれたマスでリプレイを引ければAT突入となります。
「ドクロ」のマスでリプレイを引いてしまった場合はルーレットが終了。「Chanceマス」でリプレイを引いた際は更なるルーレットへ発展し、複数セットにも期待できるという趣のある仕様でした。
そして「JackPotマス」が出現した際は超ゲキアツ。ここでリプレイを引くことができれば、「最大3000G」のATに当選する可能性があるのです。純増約3枚×3000Gで約9000枚…。ボーナスやAT上乗せを考慮すれば、引いた時点で万枚オーバーは約束されます。
AT抽選が視覚で楽しめる上に、自力要素もあるという斬新なゲーム性。単なるリプレイがタイミング次第で「一撃万枚トリガー」となる本機に、私は完全に心を奪われておりました。
特に「JackPotマス」を目の前にしたレバーオンでは、魂が震えるほどの興奮と緊張感を味わえます。5号機や6号機の「ここで○○を引ければ」系とは比較にならないものと言えたでしょう。
そんな一撃万枚をかけた熱き戦いをご紹介します。ルーレットに「JackPot」と書かれていた時は、心拍数が急激に上昇。「万枚チャンスが遂にきた!」という高揚感が…。
先述した通り、本機のAT当選契機は「バニールーレット」。「JackPotマス」にてリプレイを引ければ最大3000GのATに当選する可能性があるわけですが、実際は「JackPotマス」などほとんど出現しません。
ATに当選しても大体が1セット25G。私も「来たらラッキー」程度の感覚で打っていたのですが、過去に一度だけ一撃万枚のチャンスに遭遇したことがあるのです。
ルーレットに「JackPot」と書かれていた時は、心拍数が急激に上昇しました。「万枚チャンスが遂にきた!」という高揚感もありましたが、それ以上に「失敗したらどうしよう…」という不安の方が圧倒的に勝っていたと記憶しております。
もはやレバーを叩くのも緊張してためらうほど…。心を落ち着かせるために、一度ホールの外へ出て深呼吸をしました。まだ午前中だったのでAT3000Gを引いても十分に取り切れます。時間を考え「2万枚コースもあり得る」と思いつつも、「でも失敗したら…」そんな考えが頭の中をグルグルと駆け巡っていたのです。
10分ほど外の空気を吸っていたでしょうか。ようやく覚悟を決めた私は、運命を分ける「バニールーレット」に挑戦したのでした。
「リプレイ2確」など楽しめる要素がありましたが、この時ばかりは手が震えて目押しなどできません。タン・タン・タンと出目を見ずに流れのままリールを止めました。5Gほどハズレが続き、もう一度ハズレを引けば「ドクロ」を回避できるというタイミング。私は気合を入れてレバーを叩いたのです。
これが痛恨のリプレイ…。液晶画面は無情にも通常時へと戻ってしまったのでした。「うわあぁぁぁ!」という私の悲痛の叫びが、ホールに鳴り響いたのです。
その後は心が折れて直ぐに帰宅…。あまりのショックで『スペースバニー』をしばらく打てなくなったのは申し上げるまでもございません。
リプレイというフラグに大いなる意味を見出し、一撃万枚という夢を与えてくれた本機。スロッターの心を熱くたぎらせる思い出に残るマシンでした。
(文=堀川茂吉)
<著者プロフィール>
オグリキャップで競馬にハマり大勝負を繰り返してきた。その後は『ウルトラセブン』でパチンコの魅力に心酔し、競馬から離れパチンコ・パチスロのみを楽しむというスタイルを貫いている。ウェブ業界においてはライティング業務に従事。現在はパチMaxの編集部員として、主にパチンコ分野に関する記事作成および編集を行っている。パチスロ4号機時代など過去のエピソードも好んで作成しており、当時だからこそ起こり得た経験談を紹介中。
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