パチスロ「千円で100G!? 通常時の異常なコイン持ちに驚愕」~4号機名機伝説~ 『スーパーヘビーメタルA』編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.86】
その初の4号機となるマシンもまた、集中役を搭載したA‐C機だった。1994年初頭にリリースされた、「スーパーヘビーメタルA」である。
ただ、ロックミュージシャンの端くれとして、そのジャンルに40年関わってきた者としては、機種名の「ヘビーメタル」という表記には、どうも違和感を禁じ得ない。
実際のところ、一般のマスコミなどでは「ヘビーメタル」と表記したり、あるいは「ヘビメタ」と略すことが多いのだが、正しくは「ヘヴィメタル」。音専誌などでは、必ずそう表記する。
だから、このマシンが登場した頃はよく、「ヘビーメタルじゃなくて、ヘヴィメタルだろ、バカヤロー!!」と、ことあるごとに憤ったものだ。
…と、初っぱなから余計な話で文字数を稼いでしまって申し訳ない。本題に入ろう。
仕様は、先に登場した『チェリーバー』や『ソレックス』、そして『プレイガールV』と同様、出玉獲得の要となるのはビッグとシングルボーナスの集中役。REGは搭載していない。
そんな、つかみどころに欠けるゲーム性の本作だったが、意外なところに見所はあった。通常時のコイン持ちが、異常なほどによかったのである。
千円(50枚)あたりの平均プレイ数は、なんと45ゲーム。1ゲームあたりの消費枚数は1枚ちょっとになる勘定で、千ゲームを超える大ハマリを喰らっても消費枚数は一般的なAタイプ機の6割程度で済んだ。
また、小役補正機能が搭載されていないためか、小役やシングルの偏りも激しく、時に千円で100ゲーム以上も回ってしまうことも珍しくなかった。
リプレイの取りこぼしは出玉的な損失だけでなく、出目演出にも大きな影響を及ぼした。
本作のリール制御は、3号機の『アラジンⅡ』や『ミスターマジック』を踏襲しており、何らかのフラグが成立すると、対象絵柄を引き込めない場合にも全リールが「ズル~ッ」と大きくスベる。
つまり、テキトーにプレイしてリプレイを取りこぼすと、その都度、「ガセスベリ」が発生して惑わされる(…というか、ムカっとさせられる)のである。
とにかく。いま思えば色んな意味で、大雑把な作りのマシンだったと言わざるを得ないのだが、規則が変わったばかりで色々と暗中模索だった時代。仕方なかったと考えるのが妥当か。
(文=アニマルかつみ)
〈著者プロフィール〉
兵庫県尼崎市出身。1992年春にパチスロ必勝ガイドのライターとなり、以来30年にわたってメディア人の立場から業界の変遷を見つめてきた大ベテラン。ぱちんこ・パチスロの歴史に関しては誰にも負けない博識を持つ。最近ではYouTube動画チャンネル「ぱち馬鹿」のメンバーとして、各種企画の制作や出演、生配信などにも精を出している。ライター稼業のかたわら、ロックバンドのベースプレイヤーとしても活動中。愛猫家。昭和レトロ好き。
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