パチスロ「史上初の3色7とハイスペックが繰り出す高い連チャン性」~4号機名機伝説~ 『エニィセブンA』編 【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.91】

 1993年秋、Bタイプ機『ロイヤルタカシーRT』で4号機市場への参戦を果たした大阪の老舗メーカー、高砂電器(のちのアビリット→現在のコナミアミューズメント)。

 史上最高のビッグ確率が生み出す連チャン性は強烈だったが、ビッグの獲得枚数は先発の同じBタイプ機『トロピカーナ』よりも少なく、また頻繁に出現するシングルのJACの半分以上がハズレという特性が不評を買い、残念ながらヒットには至らなかった。

 様々な新機軸を搭載しつつも、Bタイプのデメリットばかりが目立ってしまった、『ロイヤルタカシーRT』。その失敗を挽回すべく1994年夏にリリースされたのが、同社の4号機第2弾『エニィセブンA』である。

『エニィセブンA』


 仕様は、表面上のボーナス比率1:1のオーソドックスなAタイプ。左→中に7の組み合わせが並び、右リールに「的」が停止すればリプレイ、「黄7」が止まれば15枚という役構成が、当時としては斬新だった。 なお、「黄7」は右リールだけに配された絵柄だが、「3色の7絵柄」を搭載したのは、この本作が史上初である。

 スペックは、ボーナスの連続性を重視しBR両ボーナスをバランスよく配分した確率設計が特徴。設定3ですでに機械割が101%をマークするなど、当時の4号機Aタイプ機でもトップクラスの甘さを誇った。 当時、自分はパチスロ必勝ガイドで本作の記事担当だったのだが、導入直後のホールで初実戦を行ったところ、「ハイスペックの実力を遺憾なく発揮!!」と言わんばかりの連打が炸裂。

 まぁ、7枚交換の導入直後ゆえの高設定であることは間違いないのだが、それにしても50ゲーム以内の連チャン率が36.7%とは、あまりに強烈すぎた。

「いくらなんでも、これはデキすぎだろ」
「…だな。ひょっとして、いきなり裏返ってたりとか?」
「まさか。さすがに、それは…」

 …ということで後日、平常営業のホールにて再度、データ採取を敢行。ところが、やはりここでも見事な俊足ぶりを発揮。数字の上では連チャン率は32.7%と少し落ち着いたが、「出玉性能の高さは疑う余地なし!!」との結論に至るのであった。

 そんな、ハイスペックが生み出すノーマルAタイプ機トップクラスのボーナス連チャンをアツく盛り上げるのが、シンプルながらもインパクトあるリーチ目。

 メインとなるのは、3-2号機『ドリームセブンJr.』から受け継がれた2色の7絵柄の組み合わせからなる、その名も「ドリセブ目」。赤7と黒7の組み合わせが一直線に並べば、問答無用でBR共通の鉄板リーチ目となる。 それ以前に、左→中を止めた時点でチャンス到来となるのが、7の組み合わせと「旗」が平行に同時テンパイするパターン。一見すると、右リールを止めて「旗」が揃わなければ確定となる小役ハズレ目にも思えるが、実は2リール確定目だったりするのである。

 一方、同じ7と「旗」のダブルテンパイ型でも、斜めラインにテンパイした場合は小役ハズレ目。右リールで「旗」が揃わなければチャンス到来となる。 ともかく、この『エニィセブンA』は好評をもって市場に受け入れられ、高砂電器は見事、前作での失敗を挽回。

 本作の成功を受け、以後は同等のハイスペックAタイプ機を続々とリリースし、市場での存在感を一気に高めるのであった。

 

『エニィセブンA』のスペックと仕様を受け継いだ後継機たち。『大三元X』は史上初となる麻雀をモチーフにしたパチスロ機、『ターゲットセブン』は同じく史上初の競馬をモチーフにしたパチスロ機として話題を集めた。

(文=アニマルかつみ)
〈著者プロフィール〉
兵庫県尼崎市出身。1992年春にパチスロ必勝ガイドのライターとなり、以来30年にわたってメディア人の立場から業界の変遷を見つめてきた大ベテラン。ぱちんこ・パチスロの歴史に関しては誰にも負けない博識を持つ。最近ではYouTube動画チャンネル「ぱち馬鹿」のメンバーとして、各種企画の制作や出演、生配信などにも精を出している。ライター稼業のかたわら、ロックバンドのベースプレイヤーとしても活動中。愛猫家。昭和レトロ好き。
■Twitter(@anikatsu213):ANI-Katsu(アニマルかつみ)

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