パチスロ「鮮やかな3色の7が織りなす豊かなゲーム性」~4号機名機伝説~IGTジャパン『トリコロール96』編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.129】
アニマルかつみの回胴青春時代Vol.129
アメリカはネバダ州に本拠を構えるゲームミングマシンメーカー、International Game Technology社、略してIGT。
同社は、地元ラスベガスをはじめ全米のカジノで圧倒的なシェアを誇り、大当りの総額が数億円にものぼるオンライン式スロットマシン『MEGA BUCKS』を筆頭に数々のヒット作を生み出してきた。
そんなアメリカの最大手メーカーが、海外メーカーへの門戸開放を受け1990年代初頭に日本に進出。そして1993年春、日本のパチスロ市場に向けた初のマシン『ベガスガール』をリリースする。
本場のムード溢れるデザインで大変な注目を集めた本作だったが、いざホールにお目見えしてみると、ハード・ソフトともにお粗末すぎるクオリティにファンもホールも辟易。
「なにがメイドインUSAだ。日本のパチスロをナメてるのか、このポンコツ台が!!」とそっぽを向かれ、またたく間にホールから姿を消してしまう。
以降、後続機を発表することもなく、ただただ沈黙を保ち続けたIGT ジャパン社。巷では、「たった1機種で、もう撤退かよ」と囁かれたりもした。
ところが、1996年夏。3年もの長い沈黙をやぶり、ついに新作がリリースされる。本国でのロングセラーマシン『RED,WHITE,& BLUE』をモチーフにした、その名も『トリコロール96』である。
4号機名機伝説~IGTジャパン『トリコロール96』
さて、機種名のとおり赤・白・青3色の7が鮮やかな本作、仕様はボーナスのみで出玉を増やすスタンダードなAタイプで、スペックは設定3以上が240.9分の1という高確率のビッグをメインにした、当時のAタイプ機でもかなりのハイレベルな確率設計。低設定でも、ビッグ連打による大量獲得に期待できた。
例によってリーチ目の基本となるのは、ボーナス絵柄の組み合わせ型。3色の7が一直線や山型、V字型、L字型に並ぶ、いわゆる「山佐型」と称するパターンなのだが、加えて左リール中段を基点に変則的な並びを形成するパターンが多いのが、本作の出目演出を大きく特徴づける要素となっていた。
その開発と製造には、あの『アニマル』を輩出した伝説のメーカー・アークテクニコ社の元関係者が携わっていたそうだ。実際、両機種を比べてみると、絵柄や筺体の細かい部分などに共通点が多々、見られる。