パチスロ「斬新すぎるフィルム型リールを搭載したタイアップ機」~4号機名機伝説~オリンピア『コブラⅡ』編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.131】
アニマルかつみの回胴青春時代Vol.131
近年の遊技機において、機種の付加価値を高めるための欠かせない要素となっているのが、人気のアニメや有名タレントをモチーフに取り入れた、いわゆるキャラクタタイアップである。
パチスロでその流れが本格化したのは、演出用サブ基板の搭載が許可され液晶ディスプレイによる多彩かつ細密な映像描写が可能となった2000年以降のことなのだが、遡ってみると、1995年暮れに山佐がリリースした海外の有名映画とのコラボ作『ピンクパンサー』が、すべての始まりだった。
そして翌96年、こんどはオリンピアから、パチスロとしては史上2作目となるキャラクタタイアップ機『コブラⅡ』がリリースされ、話題と注目を集める。
4号機名機伝説~オリンピア『コブラⅡ』編
そんなクールなコンテンツとタイアップした本作最大の特徴は、先の『ジョーカー』のブラックリールをさらに発展させた、フィルム型リール。1本のリールを映画用フィルムに見立てて21コマに分割し、物語に登場するキャラクタを緻密に描いたこの斬新極まりないこのアイテムは、見る者に大変な衝撃を与えた。
基本的にボーナス絵柄が左リール上下段にある場合は、右リールの対角でハサめばチャンス。左リール中段の場合は一直線になれば鉄板となった。一方、左→中でビッグ絵柄と小役が同時にテンパイした場合は、いずれも小役ハズレ目。フィルム型リールの斬新なビジュアルを活かすためだろうか、シンプルで明解なパターンがメインとなっていたのである。
一方、ビッグ中についてもリプレイハズシが効果的で、実戦上の値だが平均23枚強の獲得枚数アップが期待できた。
本作の最大の特徴であるフィルム型リールは、各絵柄が緻密に描写されているがゆえにただでさえ目押しが難しかったが、ビッグ中は演出として窓枠内が赤い照明で照らされることで、さらに難度が増したのである。
直視ができる上級者ならともかく、色を基準にタイミング押しする人にとっては、この赤い照明は、本当に厄介極まりないなシロモノだった。
しかし、件のフィルム型リールについては、バックライトが無かった当時は先述のとおり視認性の問題もあって、『ジョーカー』のブラックリールと同様に普及には至らず、本作限りとなった。色んな意味で、時代を先取り過ぎたわけだ。
原作のアニメは昨年、40周年記念としてデジタルリマスターの4K版が劇場公開されるなど、いまも根強い人気がある。あらためて、最新の仕様&スペックで再リリースすれば、それなりの反響はあると思うのだが、いかがだろうか。