パチスロの存続に必要なのは出玉ではない!? 重要なのは依存問題を含めた業界の「いま」と「未来」に向き合う姿勢?
6月14日、日本電動式遊技機工業協同組合と回胴式遊技機商業協同組合は8月4日(8=パチ、4=スロ)パチスロの日にちなんだファンイベント『パチスロサミット2017』の開催を発表した。
パチスロ界を盛り上げるべく始まった本イベントは今年で6回目。人気のライターやタレントが登場しトークイベントなどを行い盛り上げる。それだけではなく、パチスロ最新機種の無料試打をすることも可能。試打会は昨年も大好評だったイベントの柱だ。
今年の試打会には、21メーカーから1社4台の計84台が出展予定。2017年8月の段階で検定取得済みのパチスロ機が試打できるということで、早くも話題になっている。この試打会の模様は「ニコニコ生放送」でライブ中継される予定だ。
今年も大いに盛り上がりそうな気配。遊技人口増加のテコ入れという意味で、効果的なアピールになりそうである。ただ今回に関しては、これまでのお祭り的な要素を控える予定だという。
昨年末のIR推進法成立から浮上したギャンブル依存症対策という大きな課題に業界が揺れている現状、従来のように華やかなだけではなく「パチスロの未来」について、ファンと業界の人間が語り合う機会と位置づけたようだ。
無料試打会に並ぶ柱の「緊急公開討論会」には、業界内外から有識者が集結。IRや依存問題についてさまざまな角度から公開討論が実施される予定となっている。「みんなで考えよう。パチスロの未来を!」とのサブタイトルからも分かるように、業界のいまと未来を前向きに討論することを目標に掲げているのだ。
「身近すぎるギャンブル」として浸透したパチンコ・パチスロが、日本のギャンブル依存症人数を引き上げた原因であるのは間違いないだろう。手軽に遊べるパチンコ・パチスロに遊技者は「のめり込み」、それに対し業界側は「射幸心を煽る行為」を行った。その結果「ギャンブル依存症536万人」といわれる日本が誕生した可能性は否定できない。
その対策として「射幸性を抑える規制」が導入されたわけだが、目に見える成果を残しているとは言い難い。「入場制限」や「投資の限度」を設けるなどの案も上がっているが、実現するのは厳しい印象だ。パチンコ業界の抱える問題を解決するのは決して容易ではない。
しかし『パチスロサミット2017』のような、少しでも業界を前進させるための”動き”は決して無駄ではないだろう。その効果が僅かなものだとしても、ファンと業界の人間が真剣に問題へ向き合う姿勢は必ず今後へ繋がるはずだ。