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パチスロ「海をテーマにした山佐の4号機第2弾」~4号機名機伝説~『ダイバーズXX』前編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.119】

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【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.119】

 1号機時代から受け継がれた伝統の大量リーチ目と、導入初期に見られた不可解な連チャン性が話題となり、累計販売台数23万台というパチスロ史上空前のヒットを記録した山佐の4号機第1弾『ニューパルサー』。

「この世にパチスロは2種類。ニューパルサーか、それ以外か」

 大げさなようにも聞こえるが、そんな冗談も囁かれるほど当時の『ニューパルサー』の人気は凄まじかった。

 プレイヤーにとっても、ホールにとっても、そして遊技機を扱う販社にしても、さらにいうとパチスロ必勝ガイドなどの攻略情報メディアにとっても。とにかく「ニューパルさえあれば大丈夫」という状況だったのである。

 そんな風に『ニューパルサー』の人気が絶頂を極めていた1994年暮れ。さらなるシェア拡大を目指す山佐は、続編となる4号機第2弾『ダイバーズXX』をリリースする。

4号機名機伝説~『ダイバーズXX』

パチスロ「海をテーマにした山佐の4号機第2弾」~4号機名機伝説~『ダイバーズXX』前編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.119】の画像2 機種名からも伺えるとおり、本作は「海」がテーマ。絵柄には、オオウミガメやマンボウ、ヒトデといった海洋生物が採用されている。それ以外の絵柄についも、従来の山佐のマシンとは趣の異なるポップなデザインを採用するなど、フレッシュなムードが漂っているのが特徴だ。

 仕様は、『ニューパルサー』を踏襲するスタンダードなAタイプ。ビッグ絵柄は7揃いとキャラのカメ揃いの2種類、その他の役構成や払い出しも完全に同一である。パチスロ「海をテーマにした山佐の4号機第2弾」~4号機名機伝説~『ダイバーズXX』前編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.119】の画像3 低設定から中間設定にかけて圧倒的なビッグ偏向型となっているスペックも『ニューパルサー』と同様だが、比較してみると設定1~4のビッグ確率がわずかですがアップしていることがわかる。パチスロ「海をテーマにした山佐の4号機第2弾」~4号機名機伝説~『ダイバーズXX』前編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.119】の画像4 導入直後のホール実戦では、様々な疑惑や憶測を呼んだ『ニューパルサー』ほどではないにしろ、速攻&数珠連打が炸裂。50ゲーム以内のボーナス発生率は設定6の理論値を上回る32.3%を記録するなど、なかなかのパフォーマンスを見せてくれた。まぁ、7枚交換の導入直後ゆえに高設定を多用していたこともあるだろうが。パチスロ「海をテーマにした山佐の4号機第2弾」~4号機名機伝説~『ダイバーズXX』前編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.119】の画像5 続いて、小役関連数値と攻略の余地について解説しよう。

 まず通常時だが、『ニューパルサー』と同様、コインのイン・アウト差に応じて高低2種類ある小役確率を切り替え、払い出し率を一定に保つ小役補正システムを搭載。

 しかしながら、いずれの状態でもチェリーの確率が最も高く、また左リールの停止位置によっては中リールで10枚役の取りこぼしもありうるので、所定の箇所を狙って小役を完全奪取することが得策とされた。パチスロ「海をテーマにした山佐の4号機第2弾」~4号機名機伝説~『ダイバーズXX』前編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.119】の画像6 ちなみに、小役補正システムをつかさどる差枚数カウンタの減算値が、設定1~4と設定5、6とで異なるため、所定の手順を踏めば1回のビッグで設定5以上か否かを判別することができた。

 一方、ビッグ中についても払い出しの形態や各小役の確率は『ニューパルサー』を踏襲しており、リプレイハズシによる獲得枚数の上乗せが期待できたが、肝心の手順の作成には難航。

 当初、『ニューパルサー』と同様に中押し手順で挑んだところ、あろうことか獲得枚数を上乗せするどころか、逆にテキトー打ちよりも少なくなってしまうという、本末転倒な結果となってしまったのである。

 実戦上、10枚役の出現率がテキトー打ちよりもダウンしていることから、変則打ちをすることでリール制御のトラップによる取りこぼしが発生しているものと断定。そこで、リール制御解析を行い、その結果に基づいて最適手順が開発された。それが、「右押し・下段カメ狙い」である。

パチスロ「海をテーマにした山佐の4号機第2弾」~4号機名機伝説~『ダイバーズXX』前編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.119】の画像7 ボーナスインをハズす際には、左リールでビタ押しが要求されるなど難易度は高めだったが、ビッグ1回あたり平均21枚と納得の効果が期待できた。

 まぁ、当時はまだ7枚とか8枚といった低交換率が主流でコイン1枚の重みもいまほどではなく、リプレイハズシの有用性は一般のプレイヤーにはあまり重視されていなかったが、先述した設定判別攻略との合わせ技で上手く立ち回り、手堅く稼いでいたプロも少なくはなかった。

 次回後編は、緻密なテーブル式リール制御から繰り出される、山佐伝統の多種多彩なリーチ目について詳解しよう。

アニマルかつみ

アニマルかつみ

兵庫県尼崎市出身。1992年春にパチスロ必勝ガイドのライターとなり、以来30年にわたってメディア人の立場から業界の変遷を見つめてきた大ベテラン。ぱちんこ・パチスロの歴史に関しては誰にも負けない博識を持つ。最近ではYouTube動画チャンネル「ぱち馬鹿」のメンバーとして、各種企画の制作や出演、生配信などにも精を出している。ライター稼業のかたわら、ロックバンドのベースプレイヤーとしても活動中。愛猫家。昭和レトロ好き。

Twitter:@anikatsu213

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