パチンコ至極のゲーム性! 忘れられぬ「名作」の思い出……【羽根物・名機列伝】
当時、関西圏の中規模都市に住んでいたが、記憶の限りでは『パルコ』は近所に一店舗しか導入されておらず、足繁くそのホールに通っては、300円を1000円にしたと喜んでは、なけなしの500円を掠め取られたと落胆したのが昨日のことのように感じられる。
まー、それは嘘だ。昨日は締切に追われてアップアップしていた。
んー、これも嘘だ。まるで仕事に追われ、次から次へと締め切りが迫ってくる売れっ子ライターみたいな口をきいたが、たっぷり惰眠を貪りしっかり英気を養っていた。
話をもとに戻そう。
こうして小銭のやり取りを繰り返していくうちに、実体験のなかでいろいろ気づくことが出てきた。例えば台ごとの差。この台はVに入るのに隣の台はそのペースが鈍い。役物には個体差があることをなんとなく掴んだり、じゃあVに入りやすい台ばっかり打ってれば勝てるのかといえば、今度はなかなか羽根が開かず、隣のVに入りにくいほうがよく鳴くという、いわゆる釘調整の概念だったり。
ほかにも、「優秀台」と書かれた札が台の上のほうに刺さっていたり、ガラスに仕込まれている台を打つと勝ちやすいとか、パチンコのいろはを日々学びながらクルクル回る緑の円盤を、カチカチとガラスに玉が当たる音をBGMにしながら、無心で見つめていたものである。