パチンコ「激ヤバ事件」で状況が一変!? CR機の一般化に立ちふさがった「問題」とは


メーカーとしては否が応でもCR機にする必要があり、ホールとしては不便でも人を呼べる爆裂CR機を導入したいのである。そこでホールは物理的な煩わしさを払拭するために、こぞって先の現金ユニットを導入し、現在のような玉貸しスタイルに落ち着くこととなった。

 しかしながら、このCR機の普及は最初から順調だったわけではないどころか、問題が山積していた。

 まずインフラの整備。台間に直接硬貨を入れ、可動部を上下させるとその分だけ玉が貸し出されるオールドタイプの台間玉貸機やプラスチックの補給レールが付いたものなど、従来の設備をCR機対応に変更しなければならず、かなりの初期費用がかかるという懸念があった。

 また、変造カードの問題も噴出。当時社会問題になっていたテレホンカード(若者にはこの説明も必要であるが)の変造と同じように、使用済みのカードの磁気情報を書き換えることが技術的に容易で、この変造プリペイドカードが全国各地に蔓延ることとなった。

 さらにもうひとつ、CR機が浸透しない根本的な問題があった。

 前回、最初の確変はおまけ的な機能に留まっていたと触れたが、CR機が登場した1992、3年ごろは現金機の連チャンマシンが活況で、『フィーバークィーンII』『春一番』『アメリカンドリームII』『綱取物語』のデジパチはもちろん、アレパチの『エキサイト』、権利物の『ダイナマイト』など名だたる伝説の名機がホールを席巻していたのである。

 こうなると、それほど機能的メリットのないCR機を無理に入れる必要がまったくなくなる。しかし、これでは前述の「CR機にしないと連チャン機能を持つ台を世の中に送り出せない」という説明と相反してしまう。

 実はある事件をきっかけにCR機を取り巻くこのような状況が一変する。それが「ダービー物語事件」だ。業界初となるフルカラー液晶デジタルを搭載し、保留連チャン機として名を馳せた『麻雀物語』のシリーズ機として登場した『ダービー物語』において、連チャンを誘発する意図的な極端な釘曲げが横行しホールやメーカーの社員が逮捕されたのである。

 この事件が誘因となり、現金機の連チャンが厳しく規制され、CR機に限って確率変動を認めるといった対応がなされたのである。そして『CR花満開』の大ヒットを引き金としたCR機の一般化に繋がるというわけだ。

 時代は流れ、もうすぐ「CR」も幕を閉じようとしている。あれほど忌み嫌っていたCRを使ってパチンコを打ってみたい気分にもなっていた。
(文=大森 町男)

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