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パチンコのスペックを担う「影の主役」。パチンコの行く末に“花”を咲かせる!!

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 電動チューリップ。略して電チュー。

 通常は閉じた状態にあるが、玉がスルーチャッカーを通ると抽選させる小デジタルが当選すると開放するパチンコの部品である。主に確変や時短など右打ち時には、小デジタルの確率もアップし、電チューが開放しやすい状態を作り出すことによって玉減りを抑える機能が搭載されている。いわゆる「電サポ」である。

 さて、この電チュー。かつてはほとんどがスタートチャッカーの直下に搭載されていたが、時代が「右打ち」へと変化するに至り、さまざまな場所、そして形態の電チューが考案された。

 まずは形。通常のチューリップ型、羽根型、ベロ型、あるいはアタッカー型の電チューもある。このアタッカー型は変則スペックでよく用いられる。これは特別電動役物(大枠の意味ではアタッカーのことであるが)より普通電動役物、つまり電チューで玉が増えるタイプのスペックで見られる現象である。

 そして電チューで玉を増やすのだから、形状をアタッカーのようにすれば、より多くの玉を取り込め、その分払い出しを増加することができる、実に理に適ったものなのだ。

 このように、ひとえに形状が異なるといっても、単純な嗜好や思いつきではなく、スペックや機能、演出や用途に合わせて搭載されている。逆に「なぜこの形状なのか?」を紐解くことで、仕組みの裏側が見えたり、開発者の意図を知ることで隙間を発見できたりと、攻略要素の糸口に結びつくかもしれないのである。

 ちなみに、上記の逆転現象を起こすことで、詳しくは別の機会に述べるが、『CRフィーバータイガーマスク3-ONLY ONE-』のようなスペックが可能となるのである。

 次は電チューの位置について。

 右打ち機といえども従来と同じようにヘソの直下に電チューを搭載している機種も多いが、電チューの開放を司るスルーチャッカーに接近させて搭載する台も増えてきた。これは、電サポ中の玉減りというユーザーにとってのストレス要因を軽減する意味が強かろう。

 そのスルーと電チューの位置関係において最強を誇っていたのが「加速装置」である。なんせ2つが一体化しているのである。これ以上の機構があろうはずもない。玉のこぼしがなくデジタルを高速に消化できる。

 この機能を初めて搭載した『CR餓狼伝説~双撃~』においては、確変中の変動が0.268秒、次回大当りまで平均消化時間が42秒というスピードである。

 しかし、「ユーザーライク」であればあるほど、ホールにとっては迷惑そのものになる矛盾を孕んでいるパチンコ機。「加速装置」はヘソ1個戻しだからこそホールとユーザー両者にメリットがあったが、規制が緩和されるとその効力を持て余すようになった。

 ただ、1時間あたりの出玉の総量が制限されている新規則の影響によって、大当り後や大当り中など、できるだけ「間」を作ることが必要となっている現在、メーカーには逆に『ぱちんこ新・必殺仕置人』が支持を受けたように「速さ」が求められているのかもしれない。

 そうなれば「加速装置」の見直しやさらに進化した電チューの機構や、形態の誕生が見られる可能性に期待が膨らむ。

 その形や閉じたり開いたりする様から名付けられた電チュー。未来のパチンコにもひと花咲かせてほしいものである。

(文=大森町男)

 

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