パチンコ「規制緩和」で加速!? 不遇の始まりを迎えたP機……輝ける未来へ
パチンコには未来しかない。
現時点でのパチンコ新規則機、いわゆるP機に対する評価、見立てである。もちろん、当初は不安のほうが大きかった。去年2月に法律の規則改正が行われ、パチンコ・パチスロ作りの基準が大きく変化した。
この13年ぶりの出来事に、業界の先行き懸念が広がる。そもそもの改正の目的が「ギャンブル等依存症対策」に基づいた射幸性の抑制、のめり込み防止のための「規制」なのである。
具体的には1回の大当り出玉の上限が2400発から1500発に変更された。これに伴い最大のラウンド数が16Rから10Rへ。さらに、細かく区切られた時間の範囲内で「これ以上出ても、これ以上出なさすぎてもいけない」と決められたのである。
古い基準なら1時間で300%、10時間で200%を超えないような出玉率に調整していたところ、新基準では1時間で220%、10時間で133%と大きく削がれたうえに、4時間で150%という中間点での区切りも設けられ、メーカーの機械作りに大きな困難をもたらしたのである。
さらに、法律とは別に業界内で運用するルール「内規」も、出玉性能の規制に呼応し大当り確率は1/320以上、ヘソ賞球4個以上、通常時ベース30以上、確変継続率65%以下などの規定を定め、業界としても大幅な出玉性能の抑制を打ち出すこととなった。
こういった出玉性能に対する市場反応の不安や規則改正による唯一の前向きな要素である「設定」を活かせる形態としてメーカーが目をつけたのが甘デジや確率の甘いライトミドルタイプである。
規則改正前に試験に適合した「CR機」のストックがまだまだ豊富に存在する状況で、出玉性能に劣るP機を、出玉への期待感が高いミドルタイプで勝負する必要性もない。CR機と比べられ、「やっぱりだめだ」と言われるのがオチである。
このような状況によって「P機」は登場から、これまでの新基準機のような盛り上がりを見せられずに、メーカー、ホール、ファンから低い熱量とどこか冷めた目線で観察されてきた。
そんな、どちらかといえば低調なP機の環境を一変させる事件が起きる。日本遊技機工業組合、日工組による内規の改定で確率変動等の継続率上限65%が撤廃される運びとなったのである。
もちろん、出玉の総量規制は引き続き規定されたままであるが、パチンコは「連チャン」という武器を手に入れることができたのだ。
確変65%規制の撤廃によりパチンコはにわかに活性化。連チャン力を謳う高継続率マシンが次々にリリースされ、ファンにもP機を許容する空気が醸成され始めた。そして、その流れを決定づけたのが『Pぱちんこ新・必殺仕置人』である。