パチンコ「厳しすぎ設定1」は使わない!?「規格外」で非常に興味深い一台…その「詳細」を解き明かす!
気になっていたドラムマシンをようやく打てた。『P炎のドラム魂GA』である。この台はパチンコホールのチェーン店が製造したプライベートブランド、いわゆるPB機となるので特定のホールでしか打つことができないのである。
本機は大当りに6段階の差が設けられた設定付きパチンコで、大当り確率は設定1の1/319.7~設定6の1/179.5、突入率100%のSTが200回転継続するロングST機となっている。このスペック、一見すると普通のマシンに見えるが、さまざまなアイデアが組み込まれた非常にユニークなものとなっているのである。
まずは設定差。上記の設定1と設定6を比較すると、設定パチンコでは珍しい振り幅の大きな設定になっているように思うが、じつは設定1だけが極端に低くなっていて、設定2だと1/219.1で以下1/200前後のライトミドルの確率帯で設計されているのである。
ただ、本機の開発プロジェクトにおいてリーダー的役割を担ったコンサルタント会社が音頭を取り、「設定1を使わない」協定が結ばれているらしい。
まっとうなパチンコユーザーなら「そんなん口だけやろ」と言下に断ずるところであるが、本機には設定1否定示唆機能が搭載されているので、実際に確認できるようである。
そのやり方は、ドラムを回す→打ち出しをやめてドラムを停止させる→66秒間待つ→打ち出しを再開して1回転回す→台枠の上部ランプが左右、中の順に光ると設定1否定となる。これならば、普通の設定付きパチンコと同じように気軽に打てるだろう。
しかし悲しいかな、多くのユーザーは「そんなん知らんわ」である。しかも手順がだるい。パチンコファンはパチスロファンのような仕組みや機種情報についての熱心さやストイックさを持ち合わせていない。そんなものはまるでない。
この機械も『P牙狼コレクション』と同様に世に出すのが早すぎた印象である。もっと設定付きパチンコが根付くとか封入式パチンコが登場してからでないと、そんな作法に付き合うパチンコファンは棄却域に生息する住民なのである。
本機のユニークさはこれだけに留まらない。初当りがすべて「BIG BONUS」の10R確変、1500発となるのだが、この時に付与される電サポ回数は77回。先に「本機はST200回」と説明したと思うが、つまり77回転以降は200回転まで潜確状態となるのである。即止め厳禁となるのでしっかり覚えておこう。
また、潜確中は通常時と同じ扱いになるので、ここで大当りを引いてもST77回の「ゴッドリームタイム」に再突入することになる。最上位モードとなるST200回の「ゴッドリームラッシュ」に突入するには電サポ中に当てないとならないのである。
ST77回以内に大当りする割合は、設定2で36.6%、設定6なら42.7%なので、必ず潜る潜確機と考えるとイメージが悪くなるが、時短突破型の変格だと発想を転換すれば、問題ないスペックに感じるだろう。
しかも、初当りで獲得した1500発の出玉で78回転から200回転までを消化できるような設計となっている。また、設定2でも確率が1/169.3と潜確モード中に引き戻すことも普通にあるので、意外とそれほど理不尽さ、横暴さを覚えないのである。
これまで述べてきたスペック面はもちろん、とらえどころのない演出や残り部材感を隠そうともしない盤面構成なども含め、非常に興味深い一台。試しに1回打ってみるもの一興である。
(文=大森町男)