パチンコ「苦戦するCR機」にテコ入れ。「新内規」で誕生した名作が「爆発的ヒット」へ【CR機の歴史~1993年編~】
京楽、西陣、SANKYO、ニューギン、三洋、竹屋と一挙6メーカーがCR機を発売した1992年は、「CR機元年」ともいえる。
「大当りの確率変動」と「3段階設定」を大きな特徴に、ホールからは大注目。行政の肝入りということもあり、業界内の期待は大きかったが、導入コストに反して市場を席巻していた現金機の連チャンデジパチほどの出玉力はなく、予想外に苦戦を強いられることとなった。
そんな状況下、CR機はすぐさまテコ入れが行われ、「確変の2回ループ」や「電チューの確変」などといった新内規が施行。2回ループとは、ひとたび確変を射止めれば以降、2回の大当りが約束されるシステムで、この間に再び確変を引いた場合は、さらに2回の大当りがプラスされる。「次回まで継続」の初期CR機と比べて、破壊力が格段に増したことはいうまでもないであろう。
そんな新内規対応機として1993年にデビューした西陣の『CR花満開』は、確変図柄が「3」「7」の2種類、確変突入率15分の2ながらも、確変中は大当り確率&確変突入率が大幅アップする仕様で大ヒット。10連チャンどころか20連チャン、30連チャンも日常茶飯事で、その熱狂ぶりは週刊誌でも取り上げられるほどであった。スーパーリーチの際に流れる「さくらさくら」と、それと共に舞い散る花びらを、今も回想してしまうファンも多いことであろう。
同年には、このCR花満開のほかにも藤商事の『CR回転焼』、奥村遊機の『CRエンペラー』、まさむら遊機の『CRアフター5』、高尾の『CRハイパー7』などといった2回ループマシンが登場し、CR回転焼にも激しい連チャン性があった模様。CRエンペラーはドット表示と役物の楽しさで打ち手を魅了し、CRアフター5は「マイク」「麻雀牌」といった絵柄、CRハイパー7は図柄が奥に吸い込まれるような回転表示を特徴とした。
また、京楽は初当りが「7」であれば問答無用でプラス5回の大当りがセットとなる『CRラスベガス』を発売。確変突入率は15分の1と低いものの、セット終了の6回目に再度「7」を引ければさらに5回の大当りが加算されるといった強力なゲーム性で有していた。
三洋物産は、お馴染みの宴会芸をモチーフに据えた『CR野球拳』をリリース。既存であった現金機のCR機版で、確変突入率20%、次回継続までの確変ながらも男性ファンを中心に人気を集めた。
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