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パチンコ「5万発」も余裕の“爆裂”タイトルが辿った数奇な運命… 不朽の名作は今でも別格!!

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 インターネットの普及によって誰もが発信者足り得る世界が構築され、それと同時に70億人の製作者を生み出せる土壌が作られたのである。こうして人類は二度目の「火」を手にしたのだが、便利で有能な反面、やはりその取り扱い方が難しい場合もある。「権利」もそのひとつであろう。

 この権利はときに状況を複雑にさせる。例えば著作権のある動画を違法にアップロードするのは問答無用でアウトだが、その違法にアップロードされた動画をダウンロードする際に個人使用に限れば法律に接触しない。(←個人使用でも違法アップロードされたコンテンツのダウンロードは違法です)

 あるいは制作物=コンテンツ自体の権利が複雑化するパターンもある。あのビートルズですら自ら作った音源の権利を本人たちが持っていなかったのである。パチンコにおいても版権がメーカーを移ることがしばしば発生し、同じタイトル名でありながらゲーム性や演出などイメージがまるで異なるような機種も珍しくない。

 そのなかでも、特に数奇な道をたどっているのが「ヤマト」なのである。

 業界として初登場したのはサミーのパチスロ機『宇宙戦艦ヤマト』であろうか。その数年後にSANKYOから『CRフィーバー大ヤマト』が登場した。この『大ヤマト』は第2弾が5万発クラスの出玉にも期待できるパンチの効いたスペックで大ヒットを記録した。

 それにもかかわらずその後のシリーズ化は一切行われず、次に「ヤマト」がパチンコ機としてリリースされたのは藤商事の『CR宇宙戦艦ヤマト』となる。

 藤商事の『ヤマト』はシリーズ3作まで継続するなど順調に展開されていると思いきや、突如再びSANKYOにメーカーを移し『CRフィーバー宇宙戦艦ヤマト 復活篇』が登場すると同シリーズを継続させ、さまざまなスペックで市場投入される状況となった。

 しかし、近年は『ぱちんこ宇宙戦艦ヤマト2199 -反撃-』というタイトルでサミーから登場するなど、求めるイスカンダルは五里霧中で、これほど目まぐるしく変化する版権も珍しいのである。

 また、「大ヤマト」と「宇宙戦艦ヤマト」は無関係の作品であり、「宇宙戦艦ヤマト」と「宇宙戦艦ヤマト2199」はリメイク的な作品と繋がりが存在するなど、内情も込み入っている。

 さらに「ヤマト」を冠する機種のなかで最大に人気を獲得したのはおそらく『フィーバー大ヤマト2』で、パチンコにおける『ヤマト』といえばこの機種を想像するファンが多いだろうことも混乱に拍車をかける要因であったりする。

 以上から、諸般の事情を持つ『ヤマト』の初代といえばやはり『CRフィーバー大ヤマト』と言えよう。確変割合の上限が撤廃された新基準機として爆発的なヒットを記録したのは『2』であるが、スペック以外の基本的な内部要素は『1』に組み込まれていたものであり、もっと言えば、以降に続く『宇宙戦艦ヤマト』シリーズも少なからず影響され、本機を意識した機械作りを実行していた様子がありありとうかがえる。

 アニメ界に燦然と輝く不朽の名作はパチンコ界でも紆余曲折ありながらも他を圧倒するオーラを放つ名機なのである。

(文=大森町男)

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