パチンコ業界「低迷の余波」…大手アミューズメント関連機器会社が減収減益
パチンコ業界の不況は、関連企業にも大打撃を与えた。
パチンコ・パチスロをはじめとするアミューズメント関連機器を取り扱うマースエンジニアリングなどの持ち株会社であるマースグループホールディングスは5月17日、2021年3月期決算を発表した。
これによると、売上高は147億6,000万円、営業利益は11億3,000万円、経常利益は15億3,300万円、純利益は8億700万円。前期の売上高は225億6,200万円、営業利益37億9,900万円、経常利益42億3,300万円、純利益23億円だったことから、それぞれ前期比で34.6%減、70.2%減、64.2%減、64.9%減となった。
アミューズメント関連事業の主な取引先であるパチンコ業界は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、第1回目の緊急事態宣言時には全国ほとんどのパチンコホールが営業活動を自粛。その後は予防対策を実施しながら営業活動を再開して徐々に遊技客の回復をみせているものの、先行き不透明な状況が続いている。
加えて、規則改正等の対応遊技機への入れ替えも控えるなど、ホールの経営は依然として厳しい状況。新規出店や大規模な改装は限定的となった。
このような状況下、少人数でのホール運営を実現するシステムとして認知されている主力のパーソナルPCシステム、及び遊技データ等の収集・AI分析が可能な「マースユニコン」は、遊技客と従業員の接触を回数を減らせるとして再注目されたものの、周辺設備の更新需要の低迷によって販売活動は苦戦した。
当期におけるパーソナルの売上実績は22店舗、当期末時点での導入(実稼働)店舗数は市場シェア21.2%の累計1,565店舗となった。
また、パーソナルを含めたプリペイドカードシステムの売上実績は25店舗、導入(実稼働)店舗数は市場シェア23.3%の累計1,720店舗となっている。
感染症リスクが伴う状況においては、接客による感染を抑制できる「セルフPOS」が注目され、導入が進んだ。開発したカード自動除菌「全自動カードクリーナー」も、パチンコホールのみならずホテルや病院等、業種を問わず販売を行った。
2022年3月期については、パチンコ業界は新型コロナウイルス感染症の影響や規則改正等の対応遊技機への入れ替えを迫られていることから、引き続き設備投資の買い控えが継続すると予想し、省力化を実現するシステムやソリューションの提供を通してホール運営をサポートするとのこと。
通期で売上高は前期比21.9%増の180億円、営業利益は同112.3%増の24億円、経常利益は同86.2%増の28億円、純利益は同123%増の18億円を見込んでいる。
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