パチンコ新台『花の慶次』導入時に問題!?「〇〇」が変わるパチンコ店の迷走劇…
パチンコ新台『真・花の慶次2漆黒の衝撃 EXTRA RUSH』が発表され話題だが、同シリーズも関連するエピソードがある。
10数年くらい前だろうか。当時在籍したパチンコ店での新台入替メインの最新機種が、ニューギン『CR花の慶次~斬』だったことは鮮明に記憶している。
初代『CR花の慶次』が大ヒットし、その後を継いでの第二弾ということで大いに期待されたニューギン渾身の1台だった。
総台数300台未満の小型店で、20台導入というのは明らかに『大勝負』だったと思う。競合店にもこれといった大型店はなく、地域最多の導入台数だったため注目度は抜群。『CR花の慶次~斬・エリア最速20台導入&リニューアル』の華々しい文言が入替チラシを飾った。
そのリニューアルの内容というのが交換率変更だったのだが、その慶次斬20台の初日の結果はある意味悲惨なもの。OUTはしっかりと入ったものの、粗利は3ケタ万円を超える大赤字。これが計算されて叩き出されたものなら問題はないのだが、想定外の数字だったのだ。
店長は大いに慌てた。「出しまくって大丈夫」な店じゃないのだから当然である。そんな日が1週間も続けば大変なことになってしまうのだ。
3日目はある程度収まったが、それでも赤字は解消されず。結局は耐え切れず、4日目には元の交換率に戻してしまった。シミュレーション上では収まる調整でも思い通りにならないことは多々あるのだから、それに耐えうる資金すらないのであれば最初からやるべきではない。
そういったことを進言しても、典型的なワンマンで聞く耳を持たない店長。そもそもなぜ交換率の変更に至ったかは、その当時商圏内に出店してきた某大手法人の影響だった。
それまではある意味平穏な地域だったが、当時全国的に出店ラッシュをかけていた大手の影響で全国的にも等価交換が波及していった時期があった。それを必要以上に意識して失敗したのが正に自店ホールだったのだ。
元々田舎でのんびりとやっていたホールなのだから無理は良くない。『現状維持は衰退』と言う言葉もあるが、大手と真っ向勝負して勝てる訳はないのだから他の手段を模索するべきだったと思う。
それからは交換率による迷走が始まるようになった。『交換率が命』という概念に取りつかれてしまった店長は、1ヶ月の間に7度も交換率を変更してしまったのだ。
これにはお客さんも戸惑うばかりで稼働は落ちていくばかりだった。もしもあの時にそのままの交換率で営業していれば、大きな伸びしろこそないものの、あそこまで大きく稼働を落とすこともなかったと思う。『たられば』になってしまうが残念でならない。
結局自店は自滅してしまった形だが、その大手法人店舗はエリアはもちろんのこと県下でも屈指の高稼働店舗に成長したという。
(文=オーハナB)
<著者プロフィール>
元ホール店員、店長経験者。パチンコ店の裏側で起きた出来事や、人間関係を題材にしたコラムを担当している。過去に話題になった業界ネタなど、時代背景を感じる記事も作成中。自身の思い入れのあるシリーズの動向にも熱い視線を注ぐ。
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